“お城愛”がさく裂…春風亭昇太さん、行田で忍城の魅力語る 何度も足運び「残っているもの大事に残して」

トークショーを行う春風亭昇太さん(右)と千田嘉博さん=24日午後、埼玉県行田市本丸の市産業文化会館

 忍藩・桑名藩・白河藩の三方領知替え200年や埼玉県行田市・三重県桑名市・福島県白河市の友好都市締結25周年を記念した講演会とトークショーが24日、行田市本丸の市産業文化会館で行われ、城好きで知られる落語家の春風亭昇太さんと城郭考古学者・博士の千田嘉博さんが忍城・桑名城・小峰城の魅力を語った。

 文政6(1823)年に忍藩主阿部正権(まさのり)が白河へ、白河藩主松平定永(さだなが)が桑名へ、桑名藩主松平忠堯(ただたか)が忍へ国替えとなる三方領知替えが実施された。行田市・桑名市・白河市は1998年に友好都市を締結し、経済や文化、スポーツなど、さまざまな分野で交流が続けられている。

 昇太さんは何度も足を運んだという忍城について、「湿地帯や関東ローム層という地形や地質を最大限生かした城で、何重もの厳重な守りで固められている」と指摘。千田さんは戦国時代に石田三成が忍城を水攻めした際に築いた石田堤が現存することに触れ、「城攻めの痕跡が残っているのは少なく、特に水攻めは本当に貴重」と強調した。

 昇太さんは城では石垣があったり、天守閣をイメージしがちだが、最近は土造りの城の人気が高まっていると紹介。忍城付近には土塁も残っており、昇太さんは「忍城で残っているものは大事に残して、これから来る人に見せてほしい」、千田さんも「市民に親しまれている忍城の魅力を広めてほしい」と話した。

 トークショーの前には行田市郷土博物館の鈴木紀三雄館長による基調講演も行われ、三方領知替えの概要などが説明された。会場には約800人の来場者が集まり、講演会やトークショーを楽しんだ。

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