竜神伝説モチーフ、造形ユニーク玩具ずらり 新年の干支「辰」にちなみ特別展 姫路・香寺の博物館

竜神伝説に基づいて制作された山梨・甲府市の福竜=姫路市香寺町中仁野

 来年の干支(えと)「辰(たつ)」にちなみ、国内の竜の郷土玩具を集めた特別展が、姫路市香寺町中仁野の日本玩具博物館で開かれている。中国から伝わった竜は、日本でも農耕に欠かせない水の霊獣と考えられ、各地に竜神伝説などが残る。伝説に基づいたユニークな造形の玩具約70点と、大正から昭和初期にかけて文化人の間で交わされた辰年の年賀状などを展示している。(上杉順子)

 同館の尾崎織女学芸員によると、竜が手や口の中に持っている玉は願い事をかなえるとされる。長崎の郷土玩具「玉とり龍」は口を動かし、中にある玉をカチカチとかませて遊ぶ。

 玉にちなむ伝説をモチーフにした人形もある。香川・さぬき市に伝わる「玉取り海女(姫)」は、都の貴族と結ばれた海女が、2人の間に生まれた男児を跡取りにすることを条件に、貴族が竜神に奪われた玉を取り返しに行き、命を落とす悲恋物語。人形は竜の背に乗って玉を持つ海女をかたどっている。

 年賀状は、郷土玩具の収集家として有名だった故村松百兎庵さんの元に届いたもの。コレクター仲間や親交があった文人、趣味人が描いたりデザインしたりした、さまざまな竜の造形が楽しめる。

 他の十二支に関わる玩具や縁起物も、干支の順に数点ずつ並べている。

 来年3月31日まで。午前10時~午後5時。一般600円など。水曜(祝日の場合は翌日)と12月28日~1月3日は休館。日本玩具博物館TEL079.232.4388

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