【ホープフルS/危険な人気馬】血統&ローテともまさかの「勝率0%」 重賞ウィナーに“消し”ジャッジ

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今年最後の開催となる28日、2歳王者を決する、第40回ホープフルS(GI、芝2000m)が中山競馬場で行われる。

今年は、京都2歳Sを制したシンエンペラーと、サウジアラビアRC覇者のゴンバデカーブース、2頭の重賞ウイナーが主役。加えて、新種牡馬スワーヴリチャード産駒のレガレイラヴェロキラプトルや、芙蓉Sを勝ったシリウスコルトなど、キャリアの浅い馬同士の戦いだけに紛れがあってもおかしくない一戦だ。

そんな中、注目のゴンバデカーブースが今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■一気の距離延長、中山コースへの対応力に疑問

前走のサウジアラビアRCでは、メンバー唯一の上がり3F33秒台の豪快な切れ味で快勝を果たしたゴンバデカーブース。退けた相手は評判馬ボンドガール(2着)や、後に東スポ杯2歳Sを制したシュトラウス(3着)と、ハイレベルで価値の高い一戦を制してGIへ駒を進めてきた。

問題はデビューから2戦、マイル戦しか経験がないという点。GII時代を含む過去9年のホープフルSで、3着以内に入った27頭中25頭が「前走芝1800mか2000m」からの臨戦。芝1600m以下の馬は【0.2.0.9】という成績で、勝ち馬は輩出していない。

2021年コマンドラインは、6月の東京マイル戦新馬勝ち→サウジアラビアRCを勝利と、ゴンバデカーブースとほぼ同様のローテでホープフルSに臨み、1番人気12着に敗れており、今回も同じような結果とならないか懸念される。

また、新種牡馬ブリックスアンドモルタル産駒の筆頭格として初GIへ臨むことになるが、産駒のデビュー以降、主要4場の芝コースでの成績(24日まで)は以下の通り、
東京【3.2.4.19】
中山【0.1.2.16】
京都【1.5.0.17】
阪神【4.0.2.16】
なぜか、中山ではまだ勝ち名乗りを上げていない(ダートも中山は未勝利)。いずれは勝ち馬も出てくるだろうが、現段階の同産駒は、不得手なコースといっていいだろう。

加えて、距離適性も芝1400m~1600mで【9.4.4.51】と良績が集中しており、芝1800m以上では【2.4.4.29】と、やや短中距離向きの傾向が窺える。父父Giant’s Causeway産駒も日本での重賞勝ち馬はすべて芝1800m以下だったこともあり、芝2000mという距離は長い可能性がある。

マイル戦の強さから、朝日杯FSなら間違いなく好勝負を演じたかもしれないゴンバデカーブース。将来を見据えてホープフルSへ参戦したのかもしれないが、過去のデータから照らし合わせると、今回は距離への対応に一抹の不安がある。人気面を考慮すると、妙味は感じられず、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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