来年のえと「辰(たつ)」にちなみ、タツノオトシゴに焦点を当てた企画展「タツノオトシゴのふしぎ」が武雄市の県立宇宙科学館で開かれている。愛らしい姿で人気があるタツノオトシゴの生態や進化の過程などを、実物の展示とパネルで解説する。1月14日まで。
タツノオトシゴは世界で約50種、日本ではそのうち10種が確認されている。企画展では、タツノオトシゴの一種のラインドシーホースやヒメタツなどを展示している。ヒメタツは県内の海で採取した。
タツノオトシゴはヨウジウオ科の魚の仲間で、背びれを動かして縦に泳ぐことができる。約2800万年前に誕生し、世界中の温かい海に生息している。生態の特徴はオスのおなかから稚魚が出てくる点。オスが卵を産むわけではなく、卵を産んだメスがオスのおなかの袋に卵を産み落とすため、オスのおなかから稚魚が生まれてくるように見えるという。
担当の同科学館研究交流グループの山下岳雄さんは「生きている姿を見る機会は少ないと思うので、展示を通じてタツノオトシゴに親しみを持ってほしい」と話している。
平日午前9時15分~午後5時15分、土・日祝日は午後6時まで。月曜と年末年始(12月29日~1月1日)は休館。常設展示観覧料が必要。問い合わせは科学館、電話0954(20)1666。(澤登滋)