西川公也元農相1000万円不記載 二階派から寄付 収支報告書を訂正

西川公也氏=2021年

 2017年衆院選で落選した西川公也(にしかわこうや)元農相(81)が代表を務める政治団体「幸湖会」が、21年に所属していた自民党二階派(志帥会)から1048万円の寄付を受けていながら、政治資金収支報告書に収入として記載していなかったことが26日、分かった。同日、総務省に訂正を届け出た。西川氏は取材に「事務所の担当者が不慣れで収入として見落としてしまっていた」とし、事務的なミスだったと説明している。

 志帥会の収支報告書によると、寄付は前回衆院選公示日の4日前となる21年10月15日で、国会議員関係政治団体への21年中の寄付としては最も高額だった。一方、幸湖会の収支報告書には記載されず、同年の収入はゼロとなっていた。

 西川氏は二階俊博(にかいとしひろ)元幹事長との距離が近いとされ、12年12月の二階氏の派閥会長就任と同時に派閥の実務を取り仕切る事務総長に就き、農相に就任する14年9月まで約2年間務めた。17年衆院選で落選後も二階派で活動を続けた。

 自民派閥の政治資金を巡る事件では、安倍派(清和政策研究会)と二階派がパーティー収入の一部を収支報告書に記載しない運用が組織的に行われていた疑いが持たれている。両派とも販売ノルマの超過分を所属議員に還流させていたとされる。

 西川氏は、ノルマ超過分の還流について「受け取って報告書に載せていた」と証言。一方、事務総長時代に不記載の事実を認識していたかについては「事務方に任せており、把握していなかった」と話した。

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