多様化・悪質化する「サイバー犯罪」の被害を防ぐ 宇都宮市で対策セミナー

 年々多様化、悪質化するサイバー犯罪の被害を防ぐためその対策を考えるセミナーが、12月22日に宇都宮市内で開かれました。

 栃木県警察本部によりますと、スマートフォンやパソコンを使うことが一般化する中、インターネットを悪用した詐欺などのサイバー犯罪に関する相談は、去年(2022年)県内で約4千7百件に上り5年連続で過去最多を更新しています。

 このセミナーは、サイバー犯罪の被害を防ごうと「日本損害保険協会栃木損保会」が開いたものです。

 講演では、「県警察本部サイバー犯罪対策課」の湯本武史さんが実在のサービスや企業をかたって、偽のメールで偽サイトに誘導し、IDやパスワードなどの情報を盗むフィッシング詐欺について説明しました。実際に県内で起きた手口を紹介しながら「インターネットを使用することは常に危険にさらされている」と警鐘を鳴らしました。

 続いて、あいおいニッセイ同和損害保険の神山太朗さんが、最近増加傾向にあるサイバー犯罪の一つ「ランサムウェア」の手口について説明しました。

 これは、感染すると端末等に保存されているデータを暗号化して使用できない状態にした上で、そのデータを元に戻すために金銭などを要求する不正プログラムで2年前に比べて5倍に増えています。

 また、被害は大企業だけではなく中小企業や団体が7割を占めているということです。

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