母と娘、団員確保へ奮闘 村山市消防団に在籍、協力し広報活動に力

毎年1回発行している消防団広報紙に目を通す村岡恵美子さん(右)、藍那さんの親子=村山市消防本部

 女性消防団員のなり手不足が課題となる中、村山市消防団では村岡恵美子さん(53)と長女の藍那(らんな)さん(22)=同市楯岡馬場=の親子が、団員獲得に向け広報活動に力を入れている。母と娘の同時在籍は珍しいという。恵美子さんは「娘がいるから頑張れる」、藍那さんは「母のように長く活動を続けたい」と話し、お互いの存在が刺激になっているようだ。

 恵美子さんは1998年に入団し、99年には全国婦人消防操法大会に出場。一度は活動を離れたが、2004年に友人に誘われ再入団した。藍那さんは2、3歳の頃、恵美子さんが出初め式で行進する姿を見て「制服が格好良かった」と憧れを抱いた。その後、県外の専門学校へ進学し、就職を機にUターンした今年4月に「故郷に恩返しをしたい」と決意し、入団した。

 2人は現在、広報紙の発行や啓発活動などを担っている。市消防団では母と娘の同時在籍は初めてといい、藍那さんは「お互い協力し合えば、1人当たりの負担は減る」と強調する。

 11月末現在の団員数は646人で、定数の685人を下回る。このうち女性は26人で、藍那さんは来年1月発行の広報紙で新入団員を紹介するなど情報発信に努める。藍那さんは「若い人にどんどん入団してもらいたい」と話し、まな娘にアドバイスするなど優しく寄り添う恵美子さんは「体が動く限りは活動を続けたい」と語った。

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