知床・ウトロの鉄塔建設取りやめ 既存施設で通信環境改善

 知床半島の中ほどに位置する北海道斜里町ウトロで、携帯事業者が通信環境改善のために整備を検討していた高さ約30メートルの鉄塔の建設が、景観に配慮して中止されたことが27日、総務省への取材で分かった。既存のNTTドコモの施設に他の事業者の設備を置くことで、鉄塔を造った場合とほぼ同程度のエリアをカバーできるという。

 知床半島で昨年4月に起きた観光船「KAZU 1(カズワン)」の沈没事故を受け、四つの携帯事業者が通信環境の改善を図るため、知床岬周辺など4カ所で携帯の基地局を整備する計画を進めている。ウトロでは、宇登呂灯台(高さ約20メートル)のそばに鉄塔を造る予定だった。

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