「雪組と宝塚を愛する気持ちは真実」トップの彩風咲奈さん 来秋退団で会見

退団を決意するまでの思いなどを語った宝塚歌劇雪組トップの彩風咲奈さん=27日午前、大阪市北区(撮影・小林良多)

 2024年10月に宝塚歌劇団を退団すると発表した雪組トップスター彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さんが27日、大阪市内で会見を開いた。「どんな状況でも皆さまへの感謝と愛、私が雪組を、宝塚を愛する気持ちは真実」と語った。10月13日の「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」東京宝塚劇場千秋楽で退団する。

 彩風さんは愛媛県大洲市出身。2007年に93期生として星組「シークレット・ハンター」で初舞台を踏み、雪組に配属された。入団3年目に新人公演で初主演に起用されるなど、早くから注目される存在だった。組替えは経験せず、21年4月に生え抜きとして雪組トップスターに就任した。

 華やかないでたち、長い手足を生かしたキレのあるダンスが魅力。二枚目からコミカルなキャラクターまで、幅広い役柄を演じられる確かな演技力で、抜群の安定感を放った。

 退団はトップ就任時には意識していたといい、「当時は具体的な時期はなかったが、ベストパフォーマンスがどこまでできるかと考えた」と語った。22年夏に梅田芸術劇場で上演した「ODYSSEY(オデッセイ)」の際に、「東京公演が中止になった分、お客さまの温かい反応を感じた幸せな公演だった。その時にそろそろかな、と時期を決めた」と振り返る。

 23年12月13日に宝塚大劇場での千秋楽を迎えた「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY」では公演中止が重なった。その際の心境を問われると、「どんな状況下、どんな立場の時でも、今自分が何をすべきかと問い続けながら舞台に立ってきた」と語り、「お客さまはいつもそばにいてくださった」と感謝を述べた。

 今後については「退団の時には集大成をお届けしたいという気持ちもあるが、その過程も格好つけることなく、転んでもがいて体当たりでやっていきたい」と語った。

 今後の出演予定は「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY」(東京宝塚劇場で来年1月3日~2月11日)▽彩風さんコンサート「ALL BY MYSELF」(相模女子大グリーンホールで4月15~21日、NHK大阪ホールで5月4~8日)▽「ベルサイユのばら-フェルゼン編-」(宝塚大劇場で7月6日~8月11日、東京宝塚劇場で8月31日~10月13日)▽ディナーショー(東京会場8月14、15日、大阪会場同19、20日)。 (小尾絵生)

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