夜間中学のニーズ把握へ 岩手県教委がネット調査

ボランティアの協力を得て中学数学の問題に取り組む女性。

 岩手県教委は、不登校などさまざまな事情で十分な義務教育を受けられなかった人が学ぶ夜間中学のニーズ調査を始めた。文部科学省は学び直しの機会確保へ都道府県と政令市に開設を求めているが、本県は未設置。当事者の意向把握が難しく夜間中学の認知度も高くないとみられ、設置に至るほどのニーズが確認されていないことが背景にある。調査はインターネットを活用して幅広く意見を募り、結果を踏まえて在り方を検討する。

 県教委は2016年度に検討委を立ち上げ、市町村や関係団体などを通じてニーズ調査を重ねてきたが、開設を求める声は一部にとどまる。当事者の把握が難しいことが背景にあるとみられ、今回から県ホームページを活用するほか、当事者や支援者ら回答者に合わせて質問項目を設けるなど内容を改善した。調査は来年1月29日まで行う。

 武藤美由紀義務教育課長は「誰一人取り残さない教育という観点から、学びの保障の重要性は認識している。丁寧なニーズ把握に努めたい」とする。

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