新たなエリアでも高い濃度のPFAS検出 化学工場側は浄化装置を設置 元従業員「血液にどれくらい残っているのか」=静岡

発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」が静岡市清水区の化学工場周辺で高濃度で検出されている問題で、静岡市は新たなエリアでも高い濃度のPFASが検出されたと発表しました。

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静岡市清水区では、12月27日も市の職員が水質調査を行っていました。

静岡市の調査では、これまでに三保地区のほか、折戸地区や駒越地区でも高濃度のPFASが検出されていましたが、市は27日、新たに不二見地区でも高い濃度が検出されたと発表しました。

「三井・ケマーズフロロプロダクツ清水工場」の周辺では、発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」が高濃度で検出されています。工場前の三保雨水ポンプ場の排水からは、国が定める暫定目標値の220倍の濃度のPFASが確認されています。

<植田麻瑚記者>
「工場側は12月22日金曜日から浄化装置を設置しています。手前の装置で不純物を取り除いたあと、奥の装置でPFASなどの物質を活性炭で吸い取る仕組みです」

工場側は、2013年までにPFASの一種・PFOAを扱う業務を行っていた従業員のうちの希望者に対して血液検査を実施する方針を示しました。

<元従業員の70代男性>
「40年くらい扱ってない人間が血液にどれくらい残っているのか調べてもらいたい。提供したところで調査・研究をして、また私たちに返してもらいたい」

静岡市は、今後も水質調査を続け、浄化装置による効果を注視していくとしています。

静岡市は、水道水を飲んでいるかぎりは健康への影響はないとしていますが、PFASの影響範囲は徐々に広がっていて、住民は不安を募らせたまま年を越すことになります。

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