（2023年12月21～24日、東京・代々木競技場第2体育館 ／ 撮影・矢吹建夫）
■63㎏級・田南部魁星（日体大＝フリースタイル61㎏級で優勝した翌日にグレコローマンに挑戦し、２戦目で大学王者に敗れる）「体はめちゃくちゃ疲れました（苦笑）。でも、試合は楽しかったので、よかったです。（グレコローマンに挑戦した理由）フリースタイルも好きだけど、グレコローマンも競技として好きなので挑戦してみようと思いました。練習の方は10日くらい前に1～2回やりました。
フリースタイルが本業なので、フリースタイルにかけていました。この大会に出ている人は、みな人生をかけている。僕はフリースタイルばかり練習していたので、そんなに簡単に勝てるわけはないと思っていました。ただ、半分初心者で半分経験者というところが、相手からしてみればやりづらさにつながっていると思う。（両スタイル挑戦の成果は？）体力がないと思っているので、そこを実戦で鍛えられたのかなと思います」
■67㎏級・成國大志（MTX GOLDKIDS＝昨年のフリースタイル世界王者。初戦で昨年の大学王者・二俣友明にテクニカルスペリオリティ負け）「本当に情けないですね。本気で優勝するつもりでやってきた。1試合目から勝負だと思っていたので、調整も万全でやってきたけど、レスリングはなかなか厳しい。敗因は自分から仕掛けられなかったところ。気を抜いたとかではないし、びびったわけではないけど、初戦ということもあって、慎重に入りすぎた。もうちょっと大胆に自分から勝負を仕掛けてもよかったと思う。たぶんそこで自分の形で勝負するのが一番よかったと思う。それができなかった。
二俣選手はずっとグレコローマンをしてきている選手。相手のペースに引きずり込まれてしまった。フリースタイルに戻ることはないけど、先のことは考えられません。僕が足がかりとなって、どちらのスタイルにも出る選手が増えたけど、当の本人が全然勝ててないので、情けない気持ちでいっぱいです」
■72㎏級・井上智裕（FUJIOH＝大会前から現役引退を明言。決勝で原田真吾に黒星でフィナーレ）「初戦で負ければそれが最後だったし、1試合、1試合、全力でやろうと思いやっていました。決勝が終わった瞬間、あそこまでやられるとは思っていなかった。ある意味、引導を渡されたというか、あれだけやられて、よかったのかなと思います。接戦だったら、もっと悔しがっていたのかなと。それはたらればの話になってしまいますけど、自分の力を出し切ったうえで終われたのでよかった。
世界ベテランズ選手権への出場は、今はちょっと考えていない。やるからには体を作らないといけないじゃないですか。お腹が出た状態で試合には出たくない（苦笑）。僕のレスリング人生はちょうど30年目。区切りがいいというのもあって、今回を引退試合とすることに決めました」
■82kg級・吉田泰造（香川・高松北高＝U17世界王者。決勝まで進んだが、学生二冠王者に惜敗）「悔しいです。全日本レベルの大会は初出場で、高いレベルに触れられたことはよかったですが…。リードした相手が守ってくるときに、ポイントを取れる技がほしい。それができれば優勝できました。
まだ高校2年生です。『高松北』のシングレットを着て闘えるのは、もう一回あります。来年は、明治杯を含めて優勝できるように、国際舞台ではU20世界選手権で優勝できるように、1年間、頑張りたいと思います」
■87㎏級・角雅人（自衛隊＝決勝でライバルで同門の阪部創に敗北）「（阪部に対して）お見事。見たままです。言うことはない。満足です。自分も全力を出したけど、返し切れなかった。（今日は）阪部がベストコンディションでした。それだけです。（この大会にかけると思いは？）人生をかけていました。何を言っても（言葉が）浅くなってしまうので、これしか言葉がこない。
みんなが思っているより僕は真面目だし、みんなが思っているより僕は（練習を）やってきていると思うし。でも、こんな感じです。オリンピックの出場枠のかかった大会には出られないですけど、僕に勝った阪部は絶対取ってくれると思います。それ以上でもそれ以下でもないです。今後のことは、ノーコメントでお願いします」
■97kg級・鶴田峻大（自衛隊＝アジア大会3位も、決勝で敗れてオリンピック予選には出場できず）「押し勝つという自分がやりたいことを相手にやられた、という感じです。相手がガツガツ攻めてきて、第1ピリオドに圧倒された。最初のグラウンドの防御を守れたので、保守の気持ちになってしまた面はある。それでは駄目、と分かっていても、そういう気持ちになってしまい、そのすきを突かれたという感じです。すぐに4年後を考える気持ちにはなれないので、1年、1年、自分のやれることをやっていきたい」
■97kg級・奈良勇太（警視庁＝準決勝で鶴田峻大に敗れ、オリンピックの道が閉ざされる）「仕方ない。鶴田が強かった、ということです。悔しいと言えば、悔しいです。これでオリンピックには行けなくなりましたが、自分が試合して、負けたのだから、受け入れるしかない。（最初のニアフォールは微妙だったが？）映像を見ていないので分からないけど、あそこがどうだった、と言ってもどうしようもない。
息子が生まれて、きょう会場に来ている。カッコいいところを見せられずに残念。鶴田に負けたことより、そちらの方が悔いは残るというか、申し訳ない。（今後は）絶対にやめないです。これだけは宣言します。負けたままでは終われない。負けて終わりの人も多いけど、気持ちよく終わりたい。ロサンゼルス・オリンピックを目指すというより、1年1年。課題をもって取り組みたい」
■97kg級・天野雅之（中央大学職員＝17年連続17度目の出場で銅メダル）「1位はだれですか？（柴田寛の22回と聞かされ）あと5年…、いけますね（笑）。初めての全日本選手権がここ（代々木）で、松本先生（慎吾＝現日体大監督）と試合させていただきました。そこから自分の全日本選手権がスタートしました。いろんな思い入れがあります。挑戦する気持ちを忘れず、それを応援してくれる人に伝えたい、という気持ちはあります。
（高谷が16度出場で追い上げてきているが）高谷が出る限り、出るかもですね。体力は昔の半分くらいだと思いますけど、逆に進化している面もあるし、次につなげられる経験値も高くなっている。ビーチレスリングでも、ベルトレスリングでも闘うし、マスターズに出られる年齢になって、マスターズにも出たい。できる挑戦を続けたい」
