ひったくりの被害女性、亡き娘の写真戻り「おかえりなさい」 沖縄署が容疑者逮捕

 沖縄市知花で妹のアパートを訪れた女性(78)が、亡き娘の写真などが入ったバッグをひったくられた事件で、沖縄署は27日、住所不定無職の27歳の容疑者を窃盗の疑いで逮捕した。「心当たりがない」と容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は、16日午後10時20分ごろ、沖縄市知花のアパート敷地内で、知人の男(46)と共謀の上、現金約4万円や携帯電話などが入った手提げバッグをひったくった疑い。

 署によると、容疑者は知人と共に、被害女性が乗っていたタクシーを約2キロ追跡し、犯行に及んだとみられる。知人の関係先を家宅捜索した際に、女性の亡き娘の写真のほか、うるま市で発生したひったくりの被害品の一部が見つかった。

 知人は別事件ですでに逮捕しており、署は同市泡瀬の窃盗未遂事件を含め、2人が一連の事件に関与したとみて調べている。

 被害女性は「心の中で『おかえりなさい』と言った。うれしいときも、寂しいときも娘の写真を見て、話をしていた。戻ってきてよかった」と話した。

犯行現場付近を懐中電灯で照らして調べる捜査員=12月16日午後11時15分ごろ、沖縄市知花

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