黒い雨援護対象区域の有識者検討会「領域判定は困難」の検証結果

原爆投下後に降った黒い雨の援護対象区域を検証する厚生労働省の有識者検討会が27日開かれ、現時点で降った範囲を判定することは困難などとする検証結果が報告されました。

厚生労働省が設置した有識者検討会は広島への原爆投下後に降った黒い雨の援護対象区域を検証するのが目的で、2020年11月に第1回を開催し、今回が7回目です。会合ではワーキンググループが最新の科学技術を用いたという検証結果が報告されました。

このうち、気象シミュレーションの結果としては「領域判定を気象モデル計算によって行うことは現在の技術をもっても依然困難性を伴う」。

土壌調査の結果としては「精度の高い領域の推定は困難」とされています。

現時点では放射線の影響を受けた地域を再設定するための必要な成果は得られていないことになります。検討会は来年度も継続します。

原爆投下時に援護対象区域にいて特定の疾病を診断されると被爆者健康手帳が交付され医療費の負担がなくなります。広島県や広島市はこれまで区域拡大を国に求めてきました。

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