顧客の定期預金などから199万円着服か、JA職員を懲戒解雇 「心理的に限界」着服と退職申し出て発覚

JA丹波ひかみの本店=丹波市氷上町市辺

 兵庫県丹波市の丹波ひかみ農業協同組合(JA丹波ひかみ)は28日、顧客の定期貯金などから現金199万円を着服したとして、40代の男性職員を懲戒解雇したと発表した。処分は27日付。元職員は遊興費に充てていたという。

 同組合によると、11月20日に本人の申し出により発覚。調査の結果、2012年6月~14年10月の間で、元職員が勤務していた山南支店と市島支店の顧客5人計7口座の被害を確認した。高齢の顧客が口座からの引き出しを希望し、現金を顧客宅に届ける際に一部を抜き取るなどしたという。

 現在と違い、当時は職員が現金を顧客宅に届けた後、他の職員が電話で受け取りを確認するルールがなく、顧客も組合も被害に気付かなかった。

 やがて元職員は同僚たちが自分の着服についてうわさしていると思うようになり、心理的に限界を感じて退職を申し出た。その際、過去の着服を自ら明かした。同組合の聞き取りに謝罪の言葉を述べ、弁償を約束。同組合が被害者に被害額を支払った後、元職員が組合に返済する予定という。

 同組合は「深くおわび申し上げる。コンプライアンス順守を徹底し、再発防止と信頼回復に全力で取り組む」としている。 (那谷享平)

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