“飲みニケーション”必要? 「本音聞ける」「仕事中に話せば」 コロナ禍経て雰囲気に変化

 2023年も残りわずか。28日は多くの官公庁や企業が仕事納めを迎え、締めくくりは酒席で-という職場も少なくなさそう。コロナ禍を経て、酒席でのコミュニケーションに対する考え方が多様化し“飲みニケーション”の雰囲気も変化の兆しがうかがえる。長崎新聞の双方向型報道窓口「ナガサキポスト」のLINE(ライン)登録者らに尋ねると、肯定派と否定派それぞれの言い分が見えてきた。
 アンケートは16~18日に実施。長崎県内12市町から20~70代の計75人(男性43、女性32)が回答を寄せた。

 ■消えた“雑談”
 この年末は、新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行して初の忘年会シーズン。長崎の40代公務員女性は「在宅勤務やテレワークで『雑談』ができない不便さを感じた」と振り返り、「業務を離れた場でフラットにコミュニケーションを取る場の必要性は感じる」と記す。一方、コロナ禍では職場の集まりが減り「断る口実を考えなくてよかった」(長崎・40代パート女性)との声もあった。
 子育て中の雲仙の40代公務員女性は「忘新年会が夫と重なる時は夫を優先するので参加できない」と吐露。代わりに勤務最終日は弁当を奮発して「ランチ会」を開くという。「職場に合った多様な“飲みニケーション”を」と提言する。

 ■「もはや化石」
 肯定派は「普段話せない人と打ち解けられる」(長崎・40代会社員男性)、「本音を聞けるいい機会」(時津・40代会社員男性)など、職場の人間関係を円滑にする“有効性”をアピール。長与の60代会社員男性は「飲み会で仕事の話は厳禁」という不文律を気にしつつ「頑張っとるなと褒められた時はうれしかった」と実感を込めた。
 一方の否定派は、そもそも職場関係に酒が必要かどうかを問う。時津の50代会社員女性は「交通手段を考えないといけないし、仕事中に話せばいい」。お酒は好きだという佐世保の50代公務員女性は「もはや“飲みニケーション”は化石。飲まないとコミュニケーションが取れないとは、いかにお粗末な職場なのか」と一刀両断にした。

 ■「寸志」と紹介
 幹事を務めた時の経験では、店選びや立ち居振る舞いの失敗談も寄せられた。「バイキング形式は移動が大変で話しづらく、不評だった」(新上五島・50代公務員男性)。長崎の40代公務員女性は「上司がくれた『寸志』の封筒を(『お志』でなく)そのまま『寸志』と紹介した」と明かす。
 新人幹事へのアドバイスは、会場の下見や先輩らへの相談を勧める意見が多かった。長与の60代会社員男性は電話ではなく、店に直接行って予約することを心がけていたという。「おかげで当日は大サービスを受けたこともあった」と懐かしんだ。

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