繁栄願い藩政期の「数の子飾り」 金沢城公園橋爪一の門

藩政期の様式を再現して取り付けられたしめ飾り=金沢城公園

 仕事納めの28日、新年を迎える準備が進められ、金沢城公園の橋爪一の門では藩政期の様式を再現したしめ飾り「数の子飾り」が設置された。

 金沢城公園橋爪一の門のしめ飾りは、長さ5.4メートルで、数の子に形状が似ていることから、子孫繁栄の願いを込めて「数の子飾り」と呼ばれている。この日は関係者が左右のバランスに気を配りながら高さ4.5メートルの位置に取り付け、ダイダイを飾った。

 藩政期の元日登城の様子を描いた「加賀藩儀式風俗図絵」を参考に、この道35年のわら工芸師、出島豊さん(71)=志賀町矢田=が製作した。昨年まで担当した職人から製作を引き継いだ出島さんは、鶴が羽ばたくイメージでしめ飾りを仕上げたといい、「来年は今日の天気のように素晴らしい一年になってほしい」と話した。

 兼六園と金沢城公園は大みそかから元日にかけて終夜開園し、しめ飾りは1月15日に取り外される。

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