氷見市の氷見魚市場に28日、ブランド魚「ひみ寒ぶり」が今季最多となる2887本運び込まれた。今季の水揚げは累計1万1803本となり、出荷宣言からわずか5開市日という過去最速で1万本を超えた。例年であれば、年末は需要の増加で価格が高騰するが、今季は大漁効果で鮮魚店に手頃な価格で並び、市内の店は買い求める客でにぎわっている。
今季は今月23日の宣言以降、1日平均で約2360本のハイペースで水揚げが続く。
宣言日から1万本を達成するまでに要した開市日の日数は、昨季が11月26日からの19日間だった。2011年度の商標登録以降で最速だった12日間(20年度、13年度)も大幅に上回っている。今季とほぼ同時期に宣言が出され、豊漁となった14年度(3万2395本)の再現が期待される。
●値段、昨年の6割
連日の大漁で、価格も安くなっている。市内の鮮魚店「姿屋」では、ひみ寒ぶりのブロックや、刺し身用のさくを昨年の年末と比べ、6割ほどの値段で販売しているという。
昨年は不漁の影響で流通量が少なく、買い物客の注文を断らざるを得ない場合が多かったが、今年は仕入れ量の心配もないという。同店の従業員は「地元客に安く、おいしいひみ寒ぶりを提供できてうれしい」と声を弾ませた。