校長、児童に土下座ゲーム 七尾の小学校「体育盛り上げようと」 じゃんけん負けの選択肢に

  ●保護者の抗議受け謝罪

 七尾市天神山小で11月、50代男性校長が体育の授業中、児童に土下座をさせるゲームを行っていたことが28日分かった。じゃんけんで負けた子どもが相手の周囲を1周するか、土下座するというルールで、校長は市教委の聞き取りに「盛り上げようとした」と弁明。保護者からの抗議を受け、校長は不適切な指導だったとして実際に土下座した子どもらに謝罪した。

  ●市教委「不適切」

 市教委は28日、臨時の校長会を開き、八崎和美教育長が再発防止を求めた。

 市教委によると、校長は11月6日、体育館で行われた5年生男子の体育の授業に加わった。子どもたちが2組に分かれてじゃんけんを使ったゲームをしていたところ、校長が、負けた場合はじゃんけんの相手の周囲を1周するか、その場で土下座をするかというルールを付け加えた。

 関係者によると、少なくとも児童1人は実際に土下座をした。体育館には担任教諭もいたという。

 翌7日に保護者が学校側に抗議したことで発覚。校長は授業に出ていた児童に謝り、保護者にはおわびの文書を送った。12月26日に開かれた保護者会でも改めて謝罪した。校長は市教委に「授業を盛り上げようとした。今後は土下座という言葉は使わない」と説明している。市教委は「不適切指導」として石川県教委に報告した。

 28日の臨時校長会は市役所で非公開で開かれ、市内の10小学校と4中学校の校長が出席した。出席者によると、八崎教育長が経緯を説明し「教員の職責を自覚してほしい。二度と起こしてはいけない」と述べた。当事者の校長も姿を見せたが発言はなかった。

  ●教育熱心で人気

 学校のPTA関係者によると、校長は教育熱心で、子どもからも人気という。

 頻繁に授業に顔を出して児童とコミュニケーションを取る先生で、保護者の1人は「びっくりした。悪気はなかったんだろう」と話した。一方、別の保護者からは「児童虐待にもなり得る」「子どもが傷ついていないか心配だ」と児童の心のケアを求める声が上がった。

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