阪神の近本選手、村上投手が故郷の兵庫・淡路島に里帰り 公開自主トレや市役所訪問「来年、連覇目指す」

小学生とゲームをする村上頌樹選手(右)とそれを見守る(左から)大山悠輔選手、近本光司選手=淡路市佐野

 今年、38年ぶりの日本一に輝いたプロ野球阪神タイガースで活躍した兵庫県淡路市久留麻出身の近本光司選手(29)と南あわじ市賀集出身の村上頌樹(しょうき)投手(25)が、淡路島に里帰りした。地元の市役所を訪ねたり自主トレを公開したりし、年の瀬も故郷を沸かせた。(西竹唯太朗、中村有沙)

■公開自主トレに1400人見学 子どもらと交流も

 近本選手、村上投手は27日、淡路市の淡路佐野運動公園で公開自主トレーニングをスタート。初日はチームメートの大山悠輔選手も参加し、約1400人が詰めかけた。

 午前9時の開始前から約100人が並ぶ盛況ぶり。トレーニングが始まると、ユニホームなどを身に着けたファンらが写真を撮るなどしながら見守った。

 子どもたちがしっぽを付けた選手を追いかけるゲームを楽しむサプライズも。近本選手を追いかけた洲本市大野の洲本第二小5年の児童(11)は「すごく足が速かった。一緒に走れて最高」と大喜びだった。

 徳島市から来たという公務員の男性(38)は「ずっと阪神ファン。プロの体幹トレーニングはこんな感じなのかと近くで見られて、うれしかった」と笑顔だった。

■村上投手、南あわじ市役所訪問 ふるさと応援大使就任

 最優秀選手(MVP)に選ばれるなどチーム優勝に貢献した村上投手は26日、南あわじ市役所を訪ね、今季の活躍を報告。市から市スポーツ賞・特別栄誉賞を贈られ、地域の特産品などをPRする「ふるさと応援大使」にも任命された。

 村上投手は南淡中、奈良・智弁学園高、東洋大学を経て2020年にドラフト5位で阪神に指名された。1、2年目は1軍未勝利だったが、今季は躍動。22試合に登板し10勝6敗、防御率1.75の好成績でチームの原動力となった。

 同日午後、報道陣のカメラのフラッシュを浴びながら市役所へ。守本憲弘市長から表彰状と大使の委嘱状を受け取ると「人生初」という名刺を手ににっこり。「活躍を続け、多くの人に淡路島のことを覚えてもらえるよう頑張りたい」と力を込めた。守本市長から「先発登板した日本シリーズ第6戦は審判との相性が悪かったのでは」と鋭い質問も出たが、村上投手は「そんなことはない。よく見えていてすごいと思った」とさらりと答えた。

 賀集スポーツセンター体育館であった祝賀会では、野球少年らに投球技術を助言したり撮影に応じたりして地元の空気を満喫した。

■近本選手が淡路市役所訪問 「来年、連覇目指す」

 近本選手は26日、淡路市役所を訪問。門康彦市長に「リーグ優勝し、日本一を達成できた」と報告し来季の連覇を誓った。

 近本選手は2019年にドラフト1位で阪神に入団した。今季は日本シリーズMVPに輝き、盗塁王、3年連続ベストナイン賞、ゴールデングラブ賞も受賞。同市のスポーツ親善大使を19年から2期連続で務め、今回3期目の委嘱を受けた。任期は25年12月まで。

 市役所では、門市長が近本選手に大使の委嘱状を渡し「地元の子どもたちも応援し、期待している」と激励した。

 懇談後、近本選手は取材に「連覇したいという言葉は来年しか言えない。実現できるように頑張る」と強調。親善大使として「子どもたちが将来の選択肢を増やすために多様な経験ができるよう支えたい」と話した。

© 株式会社神戸新聞社