じゃがいもは適度な冷蔵で甘味アップ♪ でも、それを高温加熱調理すると発がん性物質がアップするから注意

実は乾燥に弱いから、長くおいしくいただくなら冷暗所へ

この季節、シチューやおでん、フライドポテトにポテトサラダと、何かと出番の多いじゃがいも。腹持ちもよく価格も安定という、庶民の味方の食材!

ところでそのじゃがいもの保存はどうしていますか?野菜を冷蔵保存する人は多いけれど、じゃがいもは冷蔵するとでんぷんが糖分へと変わり甘味が増し、煮物やサラダなどに使うと甘みがグーンと引き立つとか。

「キッチンペーパーなどに包み保存袋に入れて保存しましょう。適温は3~5度(あるいはチルド室0度)くらいです」(野菜ソムリエプロ・MICHIKOさん)

でも実はじゃがいもは冷蔵庫が苦手なんですって……。

「乾燥が苦手なじゃがいもは本来、冷蔵保存には不向きです。冷蔵庫で保存する場合は3~4日がおいしく食べられる目安で、長期間の保存には向きません。

じゃがいもの保存は、直射日光が当たらず風通しのいい温度が1~15度くらいに保たれる冷暗所がベストです」

マンションなどの冷暗所といえば、玄関あたりですね。

■糖分が増した冷蔵じゃがいもは調理法に注意! 高温加熱調理は絶対NG!

冷蔵保存で、でんぷんが糖分に変わり甘味が増すというメリットもあるが、実は怖~いデメリットもあるのが大きな注意点。

「増えた糖分と、じゃがいもに含まれているアミノ酸が高温加熱調理によって化学反応をおこすと『アクリルアミド』という発がん性の有害物質を生成することが知られているんです。冷蔵して糖分が増したじゃがいもを炒める、揚げる、焼くなどの油を使うなどした高温加熱調理は絶対に避けてください。

比較的ゆるやかに加熱され、高温に達さなければアクリルアミドは生成されにくいです。冷蔵したじゃがいもを調理する場合は、ゆでる、煮る、蒸す。電子レンジ加熱も食材の温度が120度以上にならないので、アクリルアミドは生成されにくいです」

■緑色になったじゃがいもにも要注意! 変色した皮と芽には怖い毒素・ソラニンが

’23年6月、東京都内の小学校の児童たちが、じゃがいもの調理実習中に食中毒を起こし、一気に注目を集めたソラニン。毒素であるソラニンが生成されてしまう原因は、収穫後に太陽や蛍光灯などの光に当たることにあるそう。

「日光に当たるなどして緑色に変色した皮の部分や芽には、ソラニンが生成されていています。ソラニンは加熱しても減少しないので、調理する際は包丁でしっかり芽をえぐり取り、皮も厚くむき、緑色の部分を完全に取り除いてください。またソラニンは水溶性なので、皮をむいた後、念のために少し水に浸し、溶け出させてから調理をするといいでしょう。大量にソラニンを摂取してしまうと、下痢、腹痛、吐き気、めまいなどの症状が現れるので注意が必要です!」

この時期の食卓の主役になることも多いホクホクじゃがいも。注意点をしっかり頭に入れて、おいしく安心に食べたいっ!

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