紫式部を描いた御朱印、大河ドラマ「光る君へ」で発案 「花の寺」京都・宇治の三室戸寺

大河ドラマ「光る君へ」の放送に合わせて作った源氏物語の御朱印(宇治市莵道・三室戸寺)

 源氏物語ゆかりの寺として知られる京都府宇治市莵道の三室戸寺が、紫式部や物語の登場人物を描いた御朱印を作った。紫式部の生涯を描くNHK大河ドラマ「光る君へ」の放送に合わせ、観光客に寺に親しんでもらおうと発案した。2024年1月1日から授与する。

 同寺の境内には、源氏物語のうち宇治が主な舞台に移る「宇治十帖」の浮舟の巻の古跡がある。平安時代に藤原氏の出身者が住職を務めるなど藤原摂関家と関わりが深かった紫式部との接点もある。

 伊丹光恭住職(80)によると、作家の故瀬戸内寂聴さんは、宇治十帖に登場する阿闍梨(あじゃり)が住んだ山寺は、同寺がモデルではないかと指摘していたという。

 大河ドラマを機に源氏物語と寺の関係を知ってもらい、市内観光の盛り上げにも一役買おうと、若い女性を中心に人気の御朱印に着目した。

 御朱印は紫式部と主人公の光源氏、宇治十帖に登場する薫、浮舟の4種類を作った。サイズははがき大。切り絵で表現し、同寺が「花の寺」としても知られることにちなみ、それぞれアジサイやフジなどの花も描いた。

 伊丹住職は「御朱印が物語を読むきっかけになれば」と話す。1枚千円。全4種類のセットは3千円。

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