姿消したムクドリ 高周波音が一定の効果か 騒音、ふん害に悩むJR加古川駅前の商店街 闘いは来シーズンへ

ムクドリが集まらなくなったベルデモール商店街入口のケヤキ=26日午後、加古川市加古川町篠原町

 JR加古川駅南のベルデモール商店街(兵庫県加古川市)に夕方集まり、騒音や「ふん害」をもたらしていたムクドリがいなくなった。岡山理科大の辻維周教授による実証実験で、高周波音を発生させたことが奏功した模様。同市は高周波音を止めた上で、ムクドリが戻らなければ今シーズンの実験を終え、来シーズンに備える。

 商店街入り口のケヤキにムクドリが集まるのは例年秋。今年は12月に入っても飛来していたため、実験を始めた。

 3日から高周波音を流したが、周辺から体調不良を訴える声が上がり、一度中断。9日に周波数やスピーカーの向きを変えて再度流したところ、13日からケヤキに止まらなくなった。ただ、近くの電線で夜を明かす様子が見られ、「これでは被害場所が変わっただけ」との声も出ていた。

 その後も、JR加古川駅南西ロータリーの電線に飛来していたが、20日以降は姿を見せなくなった。市によるといなくなった理由として「時期が来た」「ケヤキの葉が落ちた」なども考えられるが、「(高周波音が)一定の効果があったと考えられる」とする。来シーズンは飛来前に流して集まらないようにする。ムクドリとの闘いは続く-。(中川 恵)

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