富山市でクマ目撃情報 雪のない山注意

 29日午後0時半ごろ、富山市牛ケ増の県道で、車で通りかかった人が「クマ成獣1頭を目撃した」と富山南署に通報した。同署から連絡を受けた市は職員による現地調査を実施したが痕跡は確認できなかった。現場は神通川沿いの集落で、猿倉山森林公園の近く。

 クマの生態に詳しい富山県自然博物園ねいの里(富山市)野生鳥獣共生管理員の赤座久明さんは、秋に十分にエサを食べることができなかったクマは、雪が積もってエサが探せなくなるまでは山の周辺で活動する可能性があると説明した。クマは雪が積もると冬眠する傾向があるが、ここ数日の暖かさで現場周辺の雪が解け、エサとなる草を食べに来た可能性があるとしている。

 今年は暖冬傾向で、雪のない時期が続く可能性があるとし「冬場でもクマと遭遇する可能性があることを念頭に行動してほしい」と話した。

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