岩手県内秋サケ漁、過去最低確定的 年末年始、イクラなど高値

スーパーの店頭に並ぶ味付けイクラ。秋サケの不漁で価格が高止まりしている=釜石市

 岩手県内の秋サケ漁は、今季の水揚げが過去最低となることが確定的となった。県の漁獲速報(20日現在)によると、漁獲量は海と河川を合わせて114トンで、過去最低水準だった前年同期を70.5%下回る。年末年始に需要が高まるイクラや新巻きザケも原料不足で値上がりしている。

 釜石市鈴子町のマイヤ釜石店に今月下旬、青森県産の生イクラや北海道産の新巻きザケが並んだ。不漁により、三陸産はほぼ見られない。価格も上がり、需要期の生イクラは1キロ当たり1万5千円と取れていた頃の2.5倍ほどに。新巻きザケは小さいサイズが1匹5800円と同じく1.5~2倍となっている。

 秋サケの盛漁期は例年11月下旬から12月上旬。20日現在の漁獲量は主力の定置網など沿岸漁獲が72トン(前年同期比72.5%減)、採卵用の河川捕獲が38トン(同64.2%減)と振るわない。沿岸漁獲量は過去5年(2018~22年度)平均の3.2%にとどまる。

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