おいしいパンの代名詞『モアザンベーカリー』。
そのパンを提供しているランチビュッフェがあるのをご存知だろうか?
店の名は『モアザン タパス ラウンジ』。
共にホテル『ザ ノット東京新宿』の1階にあり、『モアザンベーカリー』が朝厨房で焼いたパンをランチビュッフェで提供している。
厨房で焼いたパンを食べさせてくれるビュッフェはたくさんある。
けれど、モアザンベーカリーのパンとなると話は別。パンを食べるだけでも足を運ぶ価値があると思うなあ。
カンパーニュ、リュスティック、ベーグル、ハムサンド、エッグバーガーなどなど。
店内には20種類ほどのパンが並んでいた。
そのなかに小さくて可愛らしいクロワッサンがあった。
「3分の1サイズのミニクロワッサンです」と教えてくれたのは、モアザンベーカリーのマネージャー、山口友希さん。
「パンだけでなく、いろいろな料理を召し上がっていただきたいと思い、ビュッフェ用にミニクロワッサンを焼いています」
卵をはさんだエッグバーガーも手のひらサイズ。ビュッフェ用にミニバンズを焼いているそうだ。
「毎日40~50種類のパンを焼いていますが、ビュッフェ用も含めると60種類ほどのパンを作っています」
モアザンベーカリーのパンをあれもこれも食べたい。でも、せっかく来たのだからおいしい料理も味わってほしい。
そういう思いで、ビュッフェ用にミニサイズのパンなども焼いているそうです。
パン職人、シェフ、パティシエがタッグを組んだランチビュッフェ
ランチビュッフェは11時スタート。それに間に合うように、大勢のコックがオープンキッチンで料理を作っていた。できあがった料理が次々と各テーブルに並べられていく。
パン担当は先の山口さん。
料理担当は、福島武シェフ。四季折々の野菜を使った料理などを提供。2か月ごとにメニューが変わるのだそうだ。
11月上旬のこの日は、カジキのプランチャ(鉄板焼)、ローストチキン、ショートパスタ、ジャガイモのグラタン、真鯛のカルパッチョ、かぼちゃのサラダなど、山の幸と海の幸を使った料理が用意された。
デザート担当は、パティシエの笹川孝子さん。
デザートでも季節感を演出するのが、この店のコンセプト。
この日は、柿のパンナコッタ、栗とヘーゼルナッツのケーキ、紫いものバスク風チーズケーキなど、秋の食材を使った、おいしそうなデザートが並んでいた。
パンと料理とデザート。それぞれのスペシャリストがタッグを組み、季節とメニュー構成を考えながらご馳走を用意している。
切りたての生ハムを出すなんてアンビリバボー!
料理の数は数えなかったけれど、ホテルなどのビュッフェでは、まずお目にかかれないものがあった。といっても料理ではない。生ハムだ。会場に設置したスライサーで、切りたての生ハムを提供しているのだ。
切りたての生ハムを食べさせてくれるレストランは少なくない。けれど、ビュッフェとなるとどうだろう?
真空パックの生ハムを出すところはあるかもしれないが、眼の前で切った生ハムを食べさせてくれるビュッフェがこの国にあるのだろうか? 生ハムの香りと風味を味わうなら切りたてが一番。シンプルだけど、とても贅沢なサービスだと思う。
生ハムのおいしい食べ方をご存知だろうか。
「生ハムは手づかみで食べるのが一番おいしい」とイタリア料理研究家に教えてもらった。なぜなら、金属のカトラリーを使うと金属臭が生ハムに移るからだ。なので、ぜひ手でつまみ、切りたての香りを味わいながら賞味しよう。めったにできない贅沢な味わい方だと思うよ。
そのまま食べてもおいしいけど、「ぜひ試してほしい食べ方がある」と山口さんはいいます。
どんな食べ方なのでしょうか。
「カンパーニュをオーブントースターで焼いてください。カリカリに焼けたパンにオリーブオイルをかけ、その上に切りたての生ハムをのせて召し上がってください」
山口さんが作ってくれた、生ハムをのっけたカンパーニュをいただいた。
サクサクカリカリのパンと、切りたてのしっとりとした風味豊かな生ハムが絶妙。
オリーブオイルの香りも加わり、素朴だけど、とても贅沢な一品でした。
1個1個パックされたオリーブオイルが、パンの脇に用意されている。オリーブオイルは空気にふれると酸化しやすいが、パックされたオリーブオイルならその心配も少ない。
些細なことだけど、おいしく食べてほしいという心遣いが嬉しいなあ。
2か月先まで予約でいっぱいだけど、当日枠を狙おう
焼き立てのパンと切りたての生ハム。この組み合わせは、ビュッフェではなかなか体験できないと思う。
「このランチビュッフェは、レストランとベーカリーの集大成です。うちのすべてを感じていただける、贅沢なビュッフェになっていると思います」と山口さんはいいます。
料理とデザートを作っているところを、ライブ感覚で見ることができるのも嬉しいなあ。料理好きにはこたえられないビュッフェだと思う。
おいしいパンと料理とデザート。三拍子揃ったこの店は大人気。2か月先まで予約が埋まっているそうです。
でも、ご安心。当日枠として入口近くにある12席のハイテーブルを用意。天気がよければ、20席のテラスもある。
少し早く行けば、予約なしでも贅沢ビュッフェを堪能できるかも。
今回ひとりだったけど、次回は生ハム好きの友人を誘ってみよう。
ビュッフェで贅沢なランチを食べたら、パンを買って帰ろう。
【モアザン タパス ラウンジ】店舗概要
住所/東京都新宿区西新宿4-31-1ザ ノット 東京新宿 1F
電話/03-6300-0174
ランチビュッフェ営業時間/11:00~、12:00~、12:30~、13:15~(各2時間制)要予約
料金/平日3,500円(3~10歳2,000円)、土日祝4,000円(すべて税込)
予約専用サイトあり
(うまいめし/ 中島 茂信)