カンヌで主演男優賞 「PERFECT DAYS」主演 役所広司インタビュー映像公開

第76回カンヌ国際映画祭で役所広司が最優秀男優賞を受賞したヴィム・ヴェンダース監督作「PERFECT DAYS」(公開中)に主演している、役所広司のインタビュー映像が公開された。

役所広司が演じているのは、渋谷の公衆トイレの清掃員である平山。押上の古いアパートで一人暮らしをしている平山の日々はきわめて規則正しく、同じことの繰り返しのなかに身を置いている。ヴィム・ヴェンダースがメガホンを取った本作の平山役で、役所広司はカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した。

インタビューでは、「映画ってやっぱ自由な発想ですべきだなと思いますね」とリラックスした表情を見せ、映画について同じ展開や同じ絵ではない「見たことがないものがみたい」と明かしている。

役所が演じた平山は、映画の前半ではほとんどセリフがなく、朝起きて、身支度をし、仕事であるトイレへ清掃に向かうというルーティンが淡々と描かれ、ナレーションもない。そんな展開に役所は、「人生は誰も、何も説明的でもないし、伏線もない。何が起こるかわかんない」「こういう映画は50年後、100年後に見られても、古くならない映画を目指してるんじゃないかなと思う」と語り、小津映画を例に出して「何が面白いんだろうと思っていた」と明かすも、「自分が年取ってきたり、家族ができたり、そういうことによって深みがある映画だってことに初めて気がつくし、もっと年取るともっと面白くなるかもしれない。できればそういう映画に出たいですよね」と、思いを込めて語っている。

「PERFECT DAYS」は、東京・渋谷の公共トイレ清掃員の日々を描いた映画。東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに淡々とした日々を生きていた。同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働く平山。その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、同じ日は1日としてなく、毎日を新しい日として生きていた。そんな男の日々に思いがけない出来事が起き、男の過去を小さく揺らす。

日本の公共トイレのなかに「small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)」を見いだしたヴェンダース監督が、清掃員の平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に描いた作品で、第76回カンヌ国際映画祭で役所広司が最優秀男優賞を受賞した。

【作品情報】
PERFECT DAYS
公開中
配給:ビターズ・エンド
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