被災地支えた2組が初紅白 10-FEETとMAN WITH A MISSION

トラックから支援物資を降ろすテンフィートのTAKUMAさん(右)=2011年4月11日、大船渡市・大船渡中

 NHKが31日に放送する第74回紅白歌合戦に、東日本大震災や2016年台風10号豪雨の岩手県被災地を支援してきたバンド2組が初出場する。交流を重ねる沿岸部の住民は、彼らの音楽と優しさが、広く伝わることを楽しみにしている。

 出演するのは、10-FEET(テンフィート)とMAN WITH A MISSION(マン ウィズ ア ミッション)。いしがき(盛岡市)、ケセン(住田町)など県内の音楽フェスに出演し、被災地でも演奏してきた。

 テンフィートは、震災発生直後の11年4月に「友達が困っていたら助けるのは当然」と大船渡市の避難所に自らトラックで救援物資を搬送。「ふとん大作戦」と称して寄付を募り、季節に合った衣類などを届けた。陸前高田市の学童クラブにも遊具などを贈った。

 マンウィズ-は、台風で被災した岩泉町に、石油ファンヒーター300台を寄贈した。ファンから善意を集め、宮古市の家電量販店から購入した。

 08年の大船渡ロックフェス以来、テンフィートと親交を重ねる大船渡市大船渡町の消防士、山口友行さん(48)は「物心両面で支援を継続してもらっている。彼らの音楽には人を魅了する力がある。困っている人に手を差し伸べる人間性が、音に乗って広く伝わってほしい」と願う。

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