スウェーデンのアシストマシーン!浦和獲得のグスタフソンの真価

今月29日にJ1浦和レッズは元スウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンを獲得した。直近に所属していたヘッケン時代には現浦和指揮官のペア=マティアス・ヘグモの下で絶対的な選手として活躍して2022年シーズンリーグ初制覇に大きく貢献した。

ベールに包まれている元スウェーデン代表の実力をひも解く。

イタリアで経験を積んだアンカー

元スウェーデン代表のグスタフソンは主に2ボランチの一角か3ボランチの底(アンカー)を務めてきた。運動量豊富で前線に顔を出して攻撃参加も務めるなど、かゆいところに手が届くスタイルで活躍してきた。

2016年にイタリアの名門トリノに移籍し、ペルージャ、エラス・ヴェローナ、クレモネーゼでプレーし、2021年までセリエB(2部)を中心にイタリアで5年プレーした。セリエA(1部)9試合、セリエBで98試合2得点6アシストと実績を積み重ねた。

2021年にプロデビューを果たしたヘッケンに復帰すると、リーグ戦28試合1得点4アシストと移籍後すぐに主力として定着。翌年はスウェーデン代表に初招集され、今年は9試合に出場するなど同代表でもなくてはならない存在となっている。

気が利いたポジショニングで攻守に顔を出し、ヘッケンでは主将を務めたキャプテンシーも魅力の一つだ。ヘッケン時代にヘグモ監督の指導を受けていたことから指揮官の戦術も理解しているため、実力実績ともにキャプテンシーを持った強力な守備的MFの獲得は浦和にいい影響をもたらしそうだ。

昨季はリーグ戦29試合1得点8アシストと活躍

グスタフソンの特筆すべき点はそのキック精度にある。昨季はリーグ戦29試合1得点8アシストと傑出した活躍を披露し、精度の高いパスで何度もチャンスシーンを演出してきた。

第8節デーゲルフォルシュIF戦ではサイドに開いたグスタフソンが低弾道のアーリークロスをペナルティエリア内に供給して先制点をアシストした。

流れの中では長短のパスを生かしてビルドアップからアシスト性のラストパスまでこなし、プレースキッカーを任せられるほどの実力も備えている。フリーキックは球威のあるシュート性のボールからドライブ回転がかかった落とすキックなど多彩だ。

身長187センチと体格にも優れており、セットプレーでは打点の高いヘディングで得点も狙える。球際の強さを生かしたデュエルや相手の動きを先読みしたカバーリングなど守備も隙がない。

攻守万能型でありながら過去には左右のウィング、センターフォワードもプレーした経験があり、チームの状況に合わせたポジションに囚われない変幻自在のプレーを見せる可能性がある。

双子の弟も元スウェーデン代表

スウェーデン代表でも存在感を見せるグスタフソンには双子の弟シモンがおり、彼もスウェーデン代表に選出されたほどの実力者だ。兄と似たプレースタイルだが、若いころはオランダのフェイエノールト、ローダ、ユトレヒトなどでプレーしてゴールも数多く挙げた。

兄弟ろろってスウェーデン代表に選ばれるほどの実力を持っており、ヘッケンでは息の合った抜群の連係プレーで相手を翻ろうした。いつの日かシモンもJリーグでその姿を見てみたい。

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攻守に隙がないチャンスメーカーの加入により、来季は2度目のJリーグ優勝を狙う浦和。北欧から舞い降りたグスタフソンがどのような活躍で赤きイレブンを頂へと導くのかに注目が集まっている。

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