中学生の心遣いにお年寄り感激 手作り茶碗と箸プレゼント 伝統工芸知る授業で制作

お年寄りに手製の茶碗と箸を贈る中学生たち(京都府南丹市)

 京都府南丹市の園部中1年の生徒たちが、伝統工芸を体験する授業で手作りした茶碗と箸を同町のお年寄りたちに贈った。生徒が自宅を訪問し、手紙を添えた作品を受け取った高齢者は「温かい贈り物でうれしい」と笑みをこぼした。

 毎年恒例の取り組み。同市のNPO法人「京都匠(たくみ)塾」の協力で11月中旬、約50人が粘土をひねって茶碗を作った。約70人は木をかんなで削って箸を仕上げ、焼き印で名前を入れた。

 同中の生徒2人が女性(96)を訪ね、作品を手渡した。女性は「昨晩は楽しみで眠れなかった。食事で使いたい」と感激。陶芸が趣味だったといい、制作の感想を聞くなど交流し「また一服しに立ち寄って」と名残を惜しんだ。

 生徒は「箸はとがりすぎないように削るのに苦労した。予想以上に喜んでもらえて感動した」と喜んだ。

 残りは民生児童委員らが手分けし、1人暮らしの高齢者などに配る。

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