佐嘉神社で鰤祭 大漁満船や家内安全を祈願

鰤祭の「調理の儀」で、竹の矢でブリに切れ目を入れる佐野安正宮司=佐賀市の佐嘉神社

 佐賀市の佐嘉神社で31日、新年の開運を祈願する大みそかの伝統行事「鰤(ぶり)祭」が行われた。魚市場や鮮魚店などから奉納されたブリ13匹が供えられ、大漁満船や家内安全を願った。

 鰤祭は、佐賀藩祖の鍋島直茂が朝鮮出兵から伊万里港に帰陣した時、船にブリが飛び込み、「武威(鰤)が上がった」と喜んだことに由来する。

 神事には鍋島家や佐嘉神社の関係者ら10人が参加した。佐野安正宮司が祝詞を読み上げ、包丁に見立てた御神矢でブリに切れ目を入れる「調理の儀」を行った。佐野宮司は「今年はコロナ禍が収束して明るい兆しがあった一方で、戦争など暗いこともある混沌(こんとん)とした年だった」と振り返り、「来年は天に向かって突き上がる辰(たつ)年なので、全てのことが良い方向に向くことを願っている」と話した。(樋口絢乃)

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