《新年・茨城趣味特集》紫西太極拳クラブ(筑西市)

稽古に励む紫西太極拳クラブの会員たち=筑西市内

■健康に心・息・動の調和 老若男女、ゆったり運動

真っすぐに立った状態で、ゆっくりと両腕を腰から肩の高さまで上げる。今度は肘を落とし、手を下げながら膝を緩めていく。太極拳の代表的な動きを24の形にまとめた「二十四式太極拳」の形の一つ「起勢(チーシー)」だ。

茨城県筑西市の紫西太極拳クラブが取り組む「楊名時八段錦・太極拳」は、二十四式太極拳をアレンジし、中国の伝統的な健康法「八段錦」を組み合わせた。「健康・友好・平和」を理念に掲げ、「心・息・動の調和」をうたう。ゆったりとした動きが特徴だ。

老若男女を問わないバランス運動として人気を博し、病院のリハビリにも取り入れられている。同クラブの若松増已会長(75)は「健康に良いと実感できるから続けられる。ストレス解消に良く、一人でもできる」と話す。

足を踏み出しながら手のひらで円をつくったり、鶴が羽を開くように手を上下に動かしたり-。「稽古では息の吐き方も教える。息を止めないことが大事」と若松会長は語る。

同クラブは1985年創立。現在は40~80代の会員40人が集まり、毎週金曜夜に2時間ほど稽古する。

楊名時八段錦・太極拳の普及を図るNPO法人日本健康太極拳協会は、技量に応じた段位を定めている。周囲に合わせて一通り動けるレベルの初伝から、最上位の師範まで6段階ある。

同クラブの1期生で、同協会理事の宮本博好さん(76)は「師範になるには最低十数年かかる」と説明。楊名時八段錦・太極拳について「奥が深いから一生懸命やればやるほど難しくなる。それが魅力だ」。

間もなくクラブは創立40周年を迎える。若松会長は「少しずつ高齢化している中、若い人に来てもらう工夫も必要だ」と思いを新たにする。

【メモ】活動は毎週金曜午後7時~9時、筑西市下中山の下館武道館。クラブ名は筑波山の別称「紫峰」と、その西に位置することから名付けられた。年1回、周辺の太極拳クラブとの合同研修会も開いている。若松増已会長(電)090(6136)8499。

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