《新年・茨城趣味特集》アートバルーン愛好会 (稲敷市)

バルーンアートを楽しむ愛好会のメンバー=稲敷市須賀津

■季節のオブジェ手作り 色鮮やか、心も明るく

昨年11月下旬、茨城県稲敷市須賀津の桜川公民館。集まった約10人が色鮮やかなバルーン(風船)や造花を生け花のようにスポンジに挿していた。「かわいいね」「同じ材料でも個性が出るね」などと会話しながら、作業を進めること約40分。2024年の干支(えと)「辰(たつ)」の絵が付いた鉢植え風のオブジェが、たちまち完成した。

会員の宮崎和歌子さん(77)は「毎回、何を作るのかな、とわくわくしている。会員はみんな明るく元気があり、和気あいあいとしていて楽しい」と笑顔。同じく会員の郡司里子さん(69)は「バルーンアートを家の中に飾るとパッとにぎやかな雰囲気になる」と話す。

同市文化協会所属の「アートバルーン愛好会」は、17年ほど前に結成。バルーンを使って雪だるまやひな人形など、季節に合わせてオブジェを作る。彩り豊かで華やかさがあり、種類によっては長持ちする。代表の郡司聖美さん(63)は「紫外線が当たらず寒暖差のない所に置けば、しぼまずに1年以上持つこともある」と話す。

郡司さんは約20年前、仕事で茨城県内の結婚式場を訪れた時にバルーンアートと出合った。勉強会に参加するなどして知識や技術を身に付け、披露宴会場などの飾り付けをしていたという。現在は約20人の会員にアドバイスしている。

発表の場は主に、毎年秋に開かれる市の文化祭。郡司さんが見本をいくつか示し、その中からそれぞれ好きなモチーフを選んで作る。昨年は、市内の中学校の卒業式の飾り付けを1、2年生と共に担い、好評を得たという。

「飾った場所だけでなく、作っている人たちの心も明るくなるはず」。完成したばかりのオブジェを前に、郡司さんはほほ笑んだ。

【メモ】愛好会の活動は毎月第1または第4土曜の午前9時半~正午。場所は稲敷市須賀津の桜川公民館。会員は市内在住者限定で40~70代と幅広い年代の女性が参加している。体験希望など、問い合わせは代表の郡司聖美さん(電)090(8775)6133。

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