【能登半島地震】輪島の火災200棟全焼、能登10病院が断水、県災害対策本部会議

被害状況と今後の対応を確認する出席者=2日午前9時45分、県庁

 石川県は2日午前9時45分から、県庁で3回目の災害対策本部会議を開いた。緊急消防援助隊によると、輪島市河井町の大規模火災では200棟が全焼したとみられる。けが人の状況は不明。同市内では人が生き埋めになっているとの連絡が消防に14件あり、各機関が救助に当たっている。

 緊急消防援助隊は18都府県から546隊、2035人が出動。県外の消防防災ヘリ9機が輪島市河井町の火災で空中から消火活動を実施した。

 県は県庁内に災害派遣医療チーム(DMAT)の活動支援室を設置し、公立能登総合病院(七尾市)と県立中央病院(金沢市)に活動拠点本部を置いた。現在、小松市民病院、金沢医療センターなど7チームを派遣している。ドクターヘリは長野県、愛知県の各1機が応援に入り、石川の1機と合わせ計3機を患者搬送に利用する。

 断水が発生した県内自治体は16市町に拡大。奥能登を中心に能登総合、富来、恵寿総合、七尾松原、宝達志水、輪島、珠洲市総合、穴水総合、宇出津総合、柳田温泉の各病院でも断水が起きた。

 県は2日、中小・小規模事業者を支援するための緊急相談窓口を設置。午前9時~午後5時まで=076(225)1525=で相談を受け付ける。

 ●通行止め22路線39カ所に

 県内の道路の通行止めは22路線39カ所となっている。このうち、全線通行止めだったのと里山海道は、内灘―柳田インターチェンジ間が通行可能となった。

 ●北陸新幹線、再開
 県によると、北陸新幹線の金沢―富山間を結ぶ「つるぎ」が運転を再開し、金沢―東京を運行する「かがやき」「はくたか」は午後1時ごろから再開の予定となっている。全線運転見合わせが続くのと鉄道は、穴水駅周辺で線路の隆起や曲がりが確認された。ホームや陸橋も損傷している。

 能登空港では、滑走路に長さ10㍍、深さ10㌢のひび割れが4~5カ所確認された。380人程度が駐車場に自主避難している。小松空港は羽田、福岡便が計4便欠航したが、日本航空、全日本空輸が臨時便を1往復運航する予定。

 ●県内停電4万5700戸に拡大
 県内の停電は奥能登を中心に4万5700戸に拡大した。珠洲市が1万5900戸で最も多く、能登町が1万200戸、輪島8300戸、穴水町5300戸などとなっている。

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