【能登半島地震】石川県内避難所に3万人 「水が足りない」「薬がほしい」 記者ルポ

避難し寒そうに身を寄せる住民=1日午後11時35分、穴水町のさわやか交流館プルート

 石川県によると、県内では2日午前8時半現在、避難所336カ所に、3万251人が身を寄せている。穴水町中心部にあるさわやか交流館プルートでは、約300人が身を寄せた。施設は避難住民が横になれるスペースが不足し、大半の人が座りながら仮眠を取っていた。「満足に休めなくても暗くて凍えそうな自宅よりずっといい」と話す住民らは「水が足りない」「薬がほしい」と悲痛な表情を見せた。(珠洲支局・山本佳久)

 穴水と珠洲を結ぶ道路は土砂崩れや路面の陥没で寸断され、寒さに震えて避難所の取材に向かうと、交流館は毛布にくるまった住民ですし詰め状態だった。人と人との間隔が狭いためだろう。停電で暖房が付かないのに、人いきれで温かさを感じたほどだ。

 中橋三郎さん(87)=穴水町大町=は「ダダーンッ」というごう音とともに自宅が全壊し、着の身着のまま避難所に足を運んだ。自宅が崩れた際に何かにぶつけ、大きくはれた左手の甲を見ながら「血圧の薬を家に置いたままで弱っとる。病院に行く金も持ってきとらんし」と途方に暮れた。

 金沢市では101カ所に1万300人が避難した。

© 株式会社北國新聞社