【能登半島地震】金沢駅混雑 「早く石川離れたい」 特急運行再開 記者ルポ

サンダーバードの臨時便に乗り込む乗客=2日午前10時23分、金沢駅

 金沢駅には2日早朝から、切符の払い戻しや変更を求めて多くの人が訪れた。(北國新聞社会部・杉岡憲介)

 JRの「みどりの窓口」には午前8時半の時点で約150人が列をつくった。北陸新幹線や特急の指定席はほぼ売り切れで、「並んでも買えないかもしれません」と書かれた看板が置かれたが、立ち去る人はほとんどいなかった。

 自由席狙いの人も多く、いち早く車両に到達しようと在来線の改札前には400人余りが列を作った。

 香川県丸亀市から実家の宝達志水町に帰省していた大西智亜希さん(45)はサンダーバード指定席の切符を購入した。「家が大きく揺れ、実家の父と娘、息子と4人で毛布にくるまって過ごした。父を一人おいていくのは不安だが、早く石川を離れたい」と話した。

 午前11時24分に大阪行きのサンダーバードが運行することが決まり、同10時20分ごろから乗車が始まった。一斉に人がなだれ込むと事故の危険があるため、ホームに入れる人数を制限する措置が取られた。自由席は瞬く間に埋まり、通路までびっしりと人が乗り込んだ。

 新幹線改札前には午前10時半時点で400人以上が集まった。コンコースを蛇行するように行列ができた。当初、正午過ぎに発車予定だった東京行きの北陸新幹線は検査の遅れなどから午後3時過ぎに変更となり、詰めかけた人に失望感が広がったが、行列を離れる人は少なかった。

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