能登島大橋、通行規制解除

 七尾市の離島、能登島は1日夕の地震発生直後から市内と結ぶ能登島大橋、農道橋「ツインブリッジ」がいずれも通行止めになり、観光客を含む約800人が孤立した。「島を出られないかと思った」。一夜明けた2日午前10時、大橋の通行規制が解除されると、帰省客らはほっとした表情で車のハンドルを握り、次々と島外に出た。(七尾支社長・安田佳史)

 島内の民宿に宿泊予定だった津幡町の会社員勝泉茂伸さん(50)は地震直後に高台に避難し、車中で一夜を過ごした。「いつまでも島を出られないかと思った。ようやく正月を迎えられる気がする」と話した。

 東京から七尾市石崎町に帰省していた会社員石倉裕可さん(26)は、ひょっこり温泉「島の湯」で入浴中に強い揺れを感じ、はだしで建物の外に避難。市能登島生涯学習総合センターに身を寄せ、「実家がどんなふうになっているのか心配だだ」と不安を募らせた。

 同センターには地元住民が米や野菜を持ち寄り、職員やボランティアが避難者におにぎりやみそ汁を提供した。市職員の中村亜加里さん(43)は「困ったときはお互いさまで助け合いたい。少しずつ前に進むしかない」と話した。

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