「あ―、落ちる!」高度1万メートルから戦闘機が失速!? 航空自衛隊の“超絶実験”を初公開

「F2戦闘機」に乗り込む吉田さん

フライト用の装備を身につけ、滑走路へと向かう吉田大介さん(37歳)。実は彼にしかできない任務が今、始まろうとしていた。乗り込んだのは航空自衛隊の主力戦闘機「F2戦闘機」。轟音を響かせ大空へと飛び立つ。向かったのは日本海上空。そこで、思わず息をのむ超絶映像をカメラがとらえた。

初公開! F2戦闘機が失速!?

F2戦闘機が急降下

日本海の上空1万メートルを飛行。すると突然、機体が失速を始めた。「あー落ちる、ヤバい!」と思いきや、態勢を立て直す。ほっとしたのも束の間、今度はきりもみ状態で落下、そしてまた態勢を戻した。これを6回も繰り返すのだ。

コックピットの吉田さんは慌てることなく、いたって冷静。スゴ腕であるのは間違いないが、このミッションは一体何なのか?

「機首を上げて失速直前まで減速したところでの飛行機の特性を確認していたのです。実験データは今後の飛行機の開発にデータが活用されていきます」(吉田さん)

吉田さんは「飛行開発実験団」のテストパイロット

吉田さんの正体は、飛行実験を専門に行うテストパイロット。所属するのは航空自衛隊・岐阜基地にある「飛行開発実験団」だ。戦闘機やヘリコプター、輸送機など20種類以上もの機体を操ることができるという。

飛行実験の結果を伝えるのもテストパイロットの役目だ。機体の操縦だけでなく、技術者としての顔も持つ。そんな航空機のエキスパートたちが10人以上いるという。

岐阜基地は航空自衛隊機の“故郷”

得られたデータは機体開発に生かされる

飛行実験で得られたデータは中部地区に集積する航空機関連メーカーに伝えられ、様々な機体の開発や改良に役立てられている。そんな特殊任務を担う部隊は全国でここだけ。だからこそ、こんな超レアな光景も見ることができる。

航空祭「異機種編隊飛行」

岐阜基地の航空祭の目玉「異機種編隊飛行」。戦闘機や輸送機など様々な機種が編隊を組んで飛ぶ姿はここでしか見られない。それは岐阜基地が航空自衛隊機の“故郷”であることを物語っているのだ。

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