奥能登首長「壊滅的だ」 県会議で支援訴え 生活物資配送、インフラ復旧求める

自民党の県選出国会議員4氏も出席して開かれた4回目の県災害対策本部会議=2日午後5時弳分、県庁

 石川県は2日午前と夕、2回にわたって県庁で災害対策本部会議を開いた。大きな被害を受けた能登地区の市町長がオンライン出席し、奥能登の首長からは「壊滅的な状況だ」と惨状が相次いで報告された。乳児用ミルクや生理用品、ブルーシートといった生活物資の配送、迅速なインフラ復旧を求める声が上がった。

 「無事に建っている家はほぼない。市内の全6000世帯中、4000~5000世帯は住むことができないような深刻な状況だ」

 午後4時40分から開かれた4回目の会議で、珠洲市の泉谷満寿裕市長は深刻な表情でこう説明した。道路が寸断されているため支援物資の配給が困難とし、「水や食料の支給、仮設トイレの設置などで支援をお願いしたい」と求めた。

 穴水町の吉村光輝町長は、町内で死者2人、重傷者5人、軽傷者23人、家屋倒壊16戸が確認され、44カ所に3200人超が避難していると報告。パンなどの支援物資が届くめどは立ったが、道路陥没で孤立集落が6カ所発生しているとし、「全域で停電も起きている。復旧に向け早急な配慮をお願いしたい」と話した。

 「情報収集が遅れ、対応が後手になっている」と訴えたのは能登町の大森凡世町長。職員が被災して人手が足りない上、携帯電話がつながらない地域があるためだとし「底を突いた備蓄の水や食料をスムーズに提供してもらえるよう、道路の段差を応急措置で解消してほしい」と述べた。
 志賀町の稲岡健太郎町長は同日午前に開催した3回目の会議に出席し「雨に備えたブルーシートや、土のう袋が全く足りていない」と要望した。

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