【能登半島地震】瑞龍寺、国宝の法堂にずれ 勝興寺、参道一部で地割れ

地震の影響でずれが生じた国宝法堂の木壁=1日午後8時、高岡市関本町の国宝瑞龍寺

 加賀藩前田家2代前田利長の菩提寺(ぼだいじ)である高岡市の国宝瑞龍寺では、国宝法堂(はっとう)の木壁にずれが生じ、重要文化財の壁もはがれた。燈籠や墓石の倒壊など、少なくとも15カ所で損傷があった。

 四津谷道宏住職(54)によると、四津谷さんが1日の拝観を終え、庫裏で体を休めていたところ、地震が起きた。2度目の大きな横揺れで境内は「ギギギ」という音が響き、四津谷さんは真っ先に仏像の様子が気になり、境内を見回った。

 仏像や位牌(いはい)は無事だったが、国宝に指定されている法堂の向拝にすきまができた。国宝の山門近くにある創建当時の燈籠や、利長の石廟(県指定史跡)前に建てられているそれぞれ約2メートルの燈籠が崩れ落ちた。庫裏の燈籠も崩れた。回廊の白壁が約2メートル四方ではがれ落ち、回廊のほかの部分や大茶堂でも壁のはがれやひび割れがみられた。市文化財保護活用課は境内の損壊状況の把握を行っており、修復の時期は未定という。

 国宝勝興寺では仏具が落ちたり、経堂内部の板戸が外れたりしたが、今のところ目立った損傷はない。地震の影響で、2日は拝観を中止した。4日からは通常通りの拝観を始める予定。勝興寺参道は一部で地割れや液状化が起こっており、通行できないところもある。

 瑞龍寺と前田利長墓所をつなぐ「八丁道」の燈籠や、高岡駅から新高岡駅を結ぶ大通りに設置されている燈籠の倒壊も目立った。

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