佐賀県内の大型商業施設は1、2の両日、初売りを行った。新型コロナウイルスの影響が緩和し、感染拡大前の売り場の様子が戻ってきた。京都市の不動産会社に2月1日に経営権を譲渡する佐賀玉屋(佐賀市)は家族連れらでにぎわい、物価高を反映してか食品の福袋が人気を集めた。
佐賀玉屋で初売りがスタートした2日午前10時。田中丸雅夫社長は深く一礼した後、扉をゆっくりと開けた。買い物客は小走りで目当ての売り場に向かった。食品の福袋は1人1個限定で、整理券を手に入れようと約450人が早朝から列をつくった。
佐賀市の公務員女性(26)は「福袋のため行列に並ぶのは15年続く恒例行事。親戚3人と現地集合した」と満足げだった。同市の会社員女性(40)は「玉屋がなくならなくて本当によかった。経営者が代わっても、毎年楽しみにしている食品の福袋は続けてほしい」と語った。
同社の篠原圭太営業企画課長は「ギフト用より、量が多い日常使いの方から先になくなった。今年は家族連れが目立つなど(コロナ禍の)前年から様変わりしている」としつつ、「『これからも懸命に頑張って。期待しているよ』といったお客さまからの声かけがうれしかった」と話した。(大田浩司)