牛革の余り、小物に変身 コインケースやバッグ 売り上げ寄付 茨城・つくば 幸和義肢研究所

生地の余りで作られた牛革の小物=つくば市大白硲

高級な牛革、捨てるのはもったいない-。福祉機器製作の「幸和義肢研究所」(茨城県つくば市、横張巧社長)は、持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みとして、装具製造の際に生じる革生地の余りで小物を作り、イベントで販売している。売り上げは障害者支援団体などに寄付する。

同社は身体障害者向けのオーダーメードの靴や装具を製造。高価なフルオーダー品は修理しながら長期間使うことを想定し、丈夫で長持ちする牛革を利用する。1ロール(縦2~3メートル、横10~15メートル)の生地を型に沿って切り取ると約3割は切れ端として余り、これまでは廃棄処分していた。

2023年11月の同社のイベントに向け、出展内容を従業員らで考えていたところ、余り生地を使った小物作りを思い付いた。横張社長は「無駄になっていたものを違う形にして役に立てたい」と話す。

従業員は業務の合間にコインケースやバッグなどの制作に取り組んだ。デザインも自分たちで考え、青や緑などさまざまな色の約100個を仕上げた。平智美さん(53)は「持っていて楽しい気持ちになってもらえるように考えて作った」と話す。

小物は23年11月18日につくば市内の多目的施設で開かれた「TSUKUBA 福祉機器展」(同社主催)で300~500円で販売。売り上げ4万5400円を県南地域の障害者支援団体2団体に寄付した。

小物は今後、同市内のイベントなどで販売できるようにする。横張社長は「常設販売は難しいが、寄付のためにもイベントで販売を続けたい」と話した。

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