【能登半島地震】ポリタンク売り切れ 金沢 「能登の家族に届けたい」 本紙記者ルポ

ポリンタンクなどの物資を買う人で長い列ができたホームセンター=2日午前9時40分、金沢市内

 「水が足りない」。断水が続いている能登では、生活に使う水が不足していると聞いた。多くの店舗で初売りが始まった3日、ふるさと・七尾に住む家族や友人のために水を確保しようと、金沢市内のスーパーやホームセンターを訪れると、多くの人が飲み水やポリタンクを求めて集まっていた。(経済部・室屋祐太)

 午前9時50分、自宅近くのスーパーを訪れると、すでに店舗前に人だかりができていた。開店と同時に多くの人が2㍑のペットボトルを次々とカゴに入れる。自分も慌てて4本を購入した。

 6本入りのケースを買っていた40代女性は「能登に暮らす親類から水がないと連絡が来た。少しでも届けてあげたい」と心配そうに話した。

 金沢市内のホームセンターでは、水をためるポリタンクを求めて長蛇の列ができていた。1人5個までの制限付きだったが次々と売れ、午前9時の開店から、30分ほどでなくなった。

 能登では、広い地域で断水が続いている。2日夜、七尾に住む家族や友人に水を届けようと車を走らせたが、向かう途中のコンビニはおろか、自動販売機もほとんど売り切れていた。結局、金沢の自宅にあった2㍑のペットボトル1本と、自販機で買った数本の水しか確保できなかった。

 七尾に住む人たちからは「食器が洗えない」「ずっと風呂に入っていない」と水に関するさまざまな声を聞いた。金沢でも水の確保は難しくなっており、断水の影響は徐々に広がっている。一日も早い復旧を願うばかりだ。

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