浦和戦で大迫勇也のオフサイドが判定できなかったワケ…野々村チェアマンが明かす「VARシステムの制約」

Jリーグ公式Youtubeチャンネルは12月30日、今シーズンのJリーグを振り返る「Jな夜会2023」の後編を公開した。

今回出演したのはワッキー(ペナルティ)、チョウ・キジェ(京都監督)、横内昭展(磐田監督)、酒井高徳(神戸)、太田宏介(町田)、森脇良太(愛媛)、そして野々村芳和(チェアマン)の7名。

酒井「齊藤未月の件(※柏戦で大ケガを負うタックルを受けたものの、ファウルにもならなかった)もそうですけど、後から見たら『これは…』ってみんな思ったと思うんですよ。

VARで後の映像で確認できるのであれば、『後日の出場停止処分』は作るべきだなと思います」

野々村「なるほどね。後日の出場停止というのもあってもいいし、間違ったものは取り消せるルールにもまだなっていないんですよ。日本のルールは。警告が出されたけど、後にあれはイエローカードじゃなかったよね…という」

酒井「僕たち選手は『故意ではない』というのは分かっている。どんな状況であれ、わざと相手を削ろうとしたっていうシーンは1度もない。ただ結果的にそうなってしまった時に、映像があるならば、後に確認して出場停止が課せられる。

事故を起こしてしまった人たちも、無傷でいることがなんかモヤモヤしてしまうこともあると思うんで…。クラブの側が訴えた時だけでもいいと思います」

また、32節の浦和戦の終了間際に決まった大迫勇也のゴールについても話があった。

このときはオフサイドの可能性が高かったものの、VARに引きの映像がなかったことから判定することができず、疑わしい状況のままでゴールが認められている。

なぜ引きの映像がなかったのか?野々村チェアマンはその事象が起こった理由について以下のように話していた。

野々村「もし引きの映像をあの角度で用意するのであれば、他の角度の映像をひとつ潰さなければならない。

VARは12台のカメラでやっている。それを13台や15台に増やそうと思うと、もちろんお金がかかる。12台しか設置できないシステムになっていて、13台目からはもう一つ使わなければいけない。

FIFAのルールでは12台まで一人のアシスタントでいけるんだけど、13台になると二人つけなきゃいけない。要するに人もコストもすごくかかる…というのが裏側ですね」

「ヴィッセル神戸が海外から獲得した日本人選手」

サッカーのルールはIFAB(国際サッカー評議会)やFIFAが決定しており、現状のシステムにおいては制約が大きい部分があるようだ。

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