開幕迫るダカールラリー2024。過去最多5台で挑むトヨタGRは“世界一過酷なラリー”に向け準備完了

 新しいラインアップを形成し、過去最大規模となる5台体制で2024年のダカールラリーに挑むTOYOTA GAZOO Racingは、まもなくスタートを迎える“世界一過酷なラリー”に向け、戦いの準備を整えている。

 今季2024年もW2RC世界ラリーレイド選手権のシーズン開幕戦に位置づけられているダカールラリーは、1月5日(金)から19日(金)まで2週間にわたってサウジアラビアを舞台に行われる。ラリーのステージは全部で12本、その合計距離は約4800kmだ。また、ロードセクションを含めた総移動距離は約8000kmにもおよぶ。

 このダカールラリーで過去2大会勝利を納めているTOYOTA GAZOO Racingは既報のとおり、今シーズンに向けて体制を一新。レッドブルカラーに彩られた『トヨタGRダカールハイラックス・エボTU1』を駆るルーカス・モラエス/アルマンド・モンレオン組、セス・キンテロ/デニス・センツ組を中心に過去最多の5台体制を敷いている

 残る3台のGRダカールハイラックス・エボT1Uを走らせるのは、ベテランのジニエル・ド・ヴィリエールとデニス・マーフィのペア。そして新加入のサオード・ヴァリアワ/フランソワ・カザレ組、ガイ・ボッテリル/ブレット・カミングス組だ。彼らのマシンにはWRC世界ラリー選手権やWEC世界耐久選手権のTGRマシンと同様に、“マットブラック”を基調とする新しいカラーリングが施されることになっている。

 TGRチームは5日の開幕日を前に、ラリーのスタート地点となる北部アル・ウラのビバーク地近くに基地を備え、これらのマシンの準備を整えた。TGRから第46回大会に出場する5台のGRダカールハイラックス・エボT1Uはこの地で完全に組み直され、公式車検を受ける前にすべてのシステムが想定どおり動作するかどうかを確認するシェイクダウン走行を行う予定だ。

 アル・ウラではラリー初日に28kmと短いプロローグランが実施され、これを皮切りに2週間におよぶ長く厳しい戦いが繰り広げられる。“48時間クロノ”と呼ばれる新しいマラソンステージも加わった2024年大会のルートは、サウジアラビア北西部から、エンプティ・クォーター(ルブアルハリ砂漠)が広がる南西部へと向かったあと13日(土)に首都リヤドで休息日を迎え、14日から後半戦に入る。リヤドを出発した選手たちはアル・ウラを経由して西部の港町ヤンブーへと向かい、19日にフィニッシュを迎えることになる。

W2RC世界ラリー選手権の2024年シーズン開幕戦として行われる第46回ダカールラリー2024のルート

●アラン・デュハディン(TGR W2RCチーム代表)

「TOYOTA GAZOO RacingのダカールとW2RCチームにとって新たな時代への幕開けを前に興奮している」

「T1U規格にあわせ、チーム一丸でいいクルマづくりを続け、新しくなったGRダカールハイラックス・エボT1Uという車両と、新たに加わった4組のクルーとともにダカールラリー2024に臨むことになる。ダカールとその後に続くW2RCシーズンを戦うクルーの幸運を祈るよ」

「我々には、最高のGRダカールハイラックス・エボT1Uと最高のテクニカルチームがあるます。戦いの時はきた」

●シャミア・ヴァリアワ(シャミア・ヴァリアワ・レーシング チーム代表)

「私自身はドライバーとして2回ダカールラリーを完走してきたが、今年はチーム代表としてだけでなく、誇らしい父親としてダカールに戻ってくることができて嬉しく思う。息子のサオード(・ヴァリアワ)にとっては初めてのダカールラリーとなるが、彼とフランソワ(・カザレ/コドライバー)のコンビがクリーンで良いレースを戦えることを祈っている」

「残りのチームメンバーについても、新しいGRダカールハイラックス・エボT1Uでの戦いぶり、そしてライバル車両との性能差を見るのが楽しみだ」

ダカールラリーを皮切りに世界ラリーレイド選手権を戦っていくルーカス・モラエス/アルマンド・モンレオン組のトヨタGRダカールハイラックス・エボTU1

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