ハーブを那珂特産品に 市商工会女性部と水戸農高協力 お茶やジャム開発 茨城

ローゼルを使って開発したジャムをPRする飛田祐子那珂市商工会女性部長(左)と水戸農業高生=同市菅谷

茨城県那珂市の新たな特産品を生み出そうと、市商工会女性部と県立水戸農業高は協力し、疲労回復や美容に効果があるハーブ「ローゼル」を使ったハーブティーとジャムを開発した。ローゼルはハイビスカスと同じアオイ科フヨウ属の植物。ビタミンCやクエン酸、ポリフェノールを多く含み、疲労回復や美容に効果があるとされている。花が咲き終えると膨らむ「がく」を加工した。

市商工会女性部員が趣味の家庭菜園で栽培していたローゼルを、常任委員会などで紹介したのが開発のきっかけ。赤色がきれいに発色することや、美容効果が見込めることなどが、女性ならではの発想による商品になると考え、昨年10月、ローゼル委員5人を選任し、特産品開発事業を発足させた。

2023年3月、家庭菜園のローゼルから種を採取し育成を開始。水戸農業高の園芸科の協力を得て、同校の農地に苗約350株を植え、食品化学科と共同でジャムとお茶を開発した。

開発した商品は、23年12月3日の市産業祭と6日のいばらきレディースカレッジ物産展(県商工会女性部連合会主催、同県常陸太田市)で販売。

初めての販売となった市産業祭では、お茶の試飲とジャムの試食に多くの来場者が興味を示し、「どんな効能があるの」や「思ったより酸っぱくない」と提供した部員や水戸農業高生に感想を話す姿が見られた。

2日間の販売で初回生産分のジャム120瓶、お茶30袋が完売。今後、24年度のイベントでの販売に向け追加生産を行う予定だ。

産業祭のブースで試食を配った同校園芸科2年の小島夏帆さん(17)は「自分も関わった商品が特産品として広まったらうれしい。たくさんの人がおいしいと言ってくれた」と手応えを話した。

同部の飛田祐子部長は「まだコストも高く、通年販売も難しいが、将来的にはふるさと納税の返礼品や道の駅での販売ができれば」と見据えた。

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