ナイキからマルボンゴルフ契約に ジェイソン・デイ「マジでイイ感じ」

マルボンゴルフのウェアで新シーズンに臨むジェイソン・デイ(撮影/田辺安啓(JJ))

ジェイソン・デイ(オーストラリア)は月曜日に練習レンジへ向かった際に、ジロジロ見つめられているような心持ちがしたことだろう。理由は彼のウェアにある。

この時期、選手によっては専属契約が終了し、新たな会社と契約することがあるため、新年のスタートには新しいギアのデビューという意味合いもある。

今回、選手たちを不意打ちで驚かせたのは、デイの新しい装いだった。オリーブ色のサテンのジャケットと、さらに明るめの色調のパンツに身を包んで練習エリアへと向かうデイを見た選手の何人かは、彼のことをどこかから忍び込んだ侵入者と勘違いしたことだろう。

「ジョー(スコブロン。長年ツアーでキャディを務め、これまでリッキー・ファウラー、トム・キムらのバッグを担いできた)でさえ、“誰だか分からなかった。あれが誰だか見分けがつかなかったよ”みたいなことを言っていたよ」

「“あいつは、どうやってここへ入ってきて、レンジでボールを打っているんだ?”ってね。とにかく面白いことになっていたんだ。皆、僕のことを横目でチラチラ見ていたからね」と、デイは月曜に語った。ナイキのロゴをまとっていないデイを目にするのは、十分に衝撃的なことだった。

ナイキのウェアを10年以上にわたり着用してきた彼は、世界ナンバーワンに辿り着いたとき、「全米プロゴルフ選手権」、そして「ザ・プレーヤーズ選手権」を制覇したときもナイキのロゴを着用してプレーしてきた。

そして、デイの離脱はゴルフアパレルにおけるナイキの将来に疑問を投げかけることになった。

また、今週の「ザ・セントリー」のためにカパルアへやって来たデイが、これまでPGAツアーで誰も着用したことのないブランドのウェアを着ていたという事実が、混乱に拍車をかけることとなった。

デイはPGAツアーにおける、マルボンゴルフのアンバサダー第1号となったのである。マルボンゴルフは「ゴルフのゲームにインスパイアされたライフスタイルブランド」を標榜するロサンゼルス発祥のストリートウェアのブランドであり、ビンテージな風合いを復活させた同社のスタイルは、デイの月曜日の格好からも見て取れた。

ロサンゼルス発祥のストリートウェア(撮影/田辺安啓(JJ))

シャツは、ツアーで定着しているアスリート的なフィット感と比べると“緩め”で、袖は長めになっていた。それはタイガー・ウッズがキャリアの早い段階で着ていたシャツを思い出させるシルエットだった。デイはこのウェアのフィット感が気に入っていると言う。それはファッション的な理由に止まらないようだ。

「僕はもっとリラックスしていて、緩めのフィット感の服に興味があったんだ。特に近年は、知っての通り、どれもかなりアスリート的なルックスの風合いになっていたからね。それに問題があるというわけではないんだ。ただ、僕は変化を探していて、これこそが求めていたものだった。ゴルフをプレーしているときに、セーターみたいに動きが制限されるものを着るほど最悪なことはないからね」

デイは、友人や会社のソーシャルメディアを通じてマルボンゴルフのことを知ったという。新たにウェア専属契約を結ぶにあたり、メーカーにとって最初の専属契約選手となることに加え、自身が着用する衣服へより深く関われる考えを気に入ったのである。

まだこのパートナーシップは始まって日が浅いものの、デイは創業者たちと会い、すでに彼らとアイディアの交換を行ってきた。今後はツアーにおいて、より種類が豊富で大きなブランドである韓国で展開しているシリーズのウェアも着ることになると述べた。それは個性を高らかに宣言することになるウェアとなる。

ルックスもフィット感もお気に入り(撮影/田辺安啓(JJ))

「(昨年)年が深まるにつれ、僕は自分でウェアのブランドを立ち上げ、より古典的なフィット感で、違うタイプの生地を使ったカスタムスタイルを始めるのも良いかなと考えるようになったんだ。そうしたら、バッド(マーティン。デイのエージェント)が、“マルボンが服を提供してくれるかもしれないよ”って言ってきたんだ」

「それを受け取ってみると、『これ、マジでイイ感じだぞ』となった。彼らは僕の望む物を作ってくれると最高のことを言ってくれたんだ。それで、スティーブンと彼の妻のエリカと会っただけでなく、マルボンで彼らのやっているプロセスを理解することもできたんだ。それに僕は第1号だからね。他のほとんどの選手と違う装いで1番ホールのティに立てるのは気持ちいいよ」

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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