1年の無事祈り力強く矢放つ 日光二荒山神社で「武射祭」

掛け声とともに矢を放つ弓道家たち=4日午前10時35分、日光市中宮祠

 新春の伝統行事「武射祭(むしゃさい)」が4日、栃木県日光市中宮祠の日光二荒山神社中宮祠で行われ、神職らが1年の無事を願い、勇ましく矢を放った。

 午前10時から、地元関係者や県内の弓道家ら約40人が参列し、神楽殿で神事を行った後、境内にある上神橋(かみしんきょう)へ移動。最初に中麿輝美(なかまろてるみ)宮司が「ヤー」と力強い掛け声とともに中禅寺湖方面に向け2本の矢を放った。神職や弓道家たちも安寧や無病息災、厄難消除を祈って弓を引いた。

 見物客たちは、縁起物である放たれた矢を競うように拾っていた。中麿宮司は「辰(たつ)年の今年は、昇り竜のごとくあらゆる事が上昇気流に乗るように祈念して矢を放った」と話した。

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