福井県―東京は北回りか南回りか…料金と時間で比較 北陸新幹線の延伸後、福井駅は「北」優位に

東京行き来は北回り?南回り?

 今年3月16日の北陸新幹線敦賀開業に伴い、福井県は東京と直結する。これまで多くの福井県民が移動ルートとして利用してきた「米原回り」に加え、「金沢回り」が有力な選択肢になる。一方、関西・中京方面との行き来は敦賀での乗り換えが必要で、利便性の低下は避けられない。福井と三大都市圏との往来は様変わりしそうだ。

⇒JR西日本が北陸新幹線の運行ダイヤ発表

 県都の福井駅と東京駅間の移動は現状、東海道新幹線(米原経由)利用が北陸新幹線(金沢経由)に比べ料金も時間も優位だが、敦賀開業後はともに北回りの金沢経由が“逆転”する。

 北陸新幹線の最速列車「かがやき」に乗車すると最短で2時間51分。現在の最短である米原経由の3時間24分に比べ、33分短縮される計算だ。北陸新幹線延伸後、米原経由で東京―福井間を移動する場合、敦賀での乗り換えが必要になることもあり、所要時間は3時間18分と見込まれる。料金は南回りが1万6950円になる一方、北回りは1万5810円。時間が早く、料金も安いとなれば、移動手段としては北陸新幹線が第一候補になる。

 北陸新幹線の当面の終着駅となる敦賀―東京間はどうだろうか。米原経由が最速2時間50分で現在と変わらない一方、金沢経由は現在より50分早まるものの3時間8分。料金も金沢経由の方が割高だ。嶺南地域からは従来通り、南回りが選ばれそうだ。

 少し悩ましいのが越前たけふ駅。料金は米原経由が安いが、所要時間は金沢経由がわずかだが短い。敦賀や米原での乗り換えを考えると北回りを選ぶ利用者は一定程度いるだろう。最速列車「かがやき」が2往復停車する効果が出ている。

 日本政策投資銀行は2022年11月、福井と首都圏間の移動ルートに関する福井県内や首都圏在住者計1700人へのアンケート結果を公表した。「首都圏へ行く場合、最もよく利用するルートは」との問いに、県内在住者は米原経由の利用が50%、金沢経由が14%だが、敦賀開業後の想定では金沢経由が51%、米原経由が24%と逆転した。一方、首都圏在住者は現状でも北陸新幹線ルートの利用が最も多く、敦賀開業後はさらにその割合が高まるとの結果だった。果たして県民や観光客の移動手段は―。

⇒福井―大阪・名古屋は敦賀で乗り換え必要に

© 株式会社福井新聞社