TOYOTA GAZOO Racing、GRヤリス・ラリー2のホモロゲ取得を発表。WRC開幕には4チーム出場へ

 1月4日、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、これまで開発を進めてきたWRC世界ラリー選手権のWRC2向け車両である、トヨタGRヤリス・ラリー2がFIA国際自動車連盟のホモロゲーションを取得したと発表した。

 TGR-WRTはこれまで、GRヤリス・ラリー1ハイブリッドでWRCに参戦。タイトル獲得をはじめ、WEC世界耐久選手権等、グローバルで『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』に向けた活動を続けてきた。また、近年サーキットを中心にカスタマーレーシング活動も積極的に展開している。

 GRヤリス・ラリー2は、ラリー界でのカスタマー向けに開発されたもので、ドライバー“モリゾウ”としてマスタードライバーを務め、GRヤリス・ラリー2自体もドライブし鍛え続けてきたトヨタ自動車豊田章男会長は、このGRヤリス・ラリー2の登場で、ラリーという競技において、ワークス活動におけるラリー1、そして市販車のGRヤリスを繋ぐ架け橋としての第一歩となることを期待し、ラリー界全体の盛り上げ、恩返しをしたいと考えているという。

 今回、FIAからホモロゲーションを取得したことにより、GRヤリス・ラリー2は世界中のカスタマーラリーチームに向けてデリバリーが可能となった。スーパー耐久等と同様に、モリゾウが最初にドライブすることで世界で最も早く不具合を検知し、もっといいクルマに改善していきたいとの想いから、最初の1台はモリゾウがチームオーナーである日本のROOKIE Racingに納入される。さらに、4チームからWRC開幕戦のラリー・モンテカルロに出場する予定だ。

 このGRヤリス・ラリー2は、2022年のラリージャパンで公開され、日本でもラリー北海道にヤリ-マティ・ラトバラTGR-WRTチーム代表自ら参戦するなど、これまで多くのプロドライバーがステアリングを握り、ヨーロッパを中心とした世界のさまざまな道で走行テストを実施し、鍛えてきた。

 サーキットレースでもGRスープラGT4投入をはじめカスタマーレーシングに取り組んでいるTGRだが、今後WRCでもプロや若手、経験豊富なカスタマードライバーの意見を採り入れ、『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』に繋げていくはずだ。

フレンチアルプスでテストを行うトヨタGRヤリス・ラリー2のデモカー
ヤリ-マティ・ラトバラTGR-WRT代表と『トヨタGRヤリス・ラリー2』 2023年WRC第1戦モンテカルロ
2024年全日本ラリー選手権第7戦ラリー北海道では、ヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組がGRヤリスJP4ラリー2でスポット参戦。見事に初参戦初優勝を飾った

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